「觔斗雲を乗りこなせる人になろう」がお守りの願い!?
お守りコレクションblog
第190回目は京都府京都市左京区にある
鞍馬寺の「尊天守」です。
初穂料1000円(授与時)。
濃い青地ベースに
茜に染まった觔斗雲(きんとうん)が映えます。
筋斗雲とは
中国の小説『西遊記』に登場する、空飛ぶ雲。
今どきは
ドラゴンボールの悟空の乗り物
といったほうが通じるかも知れません。
ちなみにこの雲は、心が澄んでいて
真っ直ぐな人にしか乗りこなせないそうです。
もしかすると
このお守りを大切にすれば
筋斗雲に乗れるような人になれますよ、
そんな意味合いが
込められているのかもしれませんね。
中心の文様は鞍馬寺の寺紋。
ここに金の縁取りが加わることで
キリっとした輪郭のお守りとなります。
裏面に込められた羅網(らもう)は尊天の願いそのもの
裏面です。
猛々しい字体かと思いきや
丸みのあるフォントでかわいらしく
「鞍馬山」と描かれています。
左右上下に結ばれて陳列された紋章は
おそらく「羅網」(らもう)を表現している
のではないかと思われます。
鞍馬山の自然は
動植物が網のように相互に関係しあって
複雑な森林生態系を形成しています。
鞍馬山ではその響きあいを
羅網として表しているのですね。
本殿内は撮影が禁止でしたので写真はありませんが
内陣には羅網が荘厳されているようです。
このお守りの名称でもある「尊天」とは。
月輪の精霊―愛=千手観世音菩薩
太陽の精霊―光=毘沙門天王
大地の霊王―力=護法魔王尊
の三身を一体としており
称して「尊天」と呼ばれています。
尊天守は
4種類の色合いが異なるものがありました。
わたくしは茜色の觔斗雲と青のコントラストが
個性的だなと感じ、こちらを拝受しました。
鞍馬寺とは以下のようなところです。
いざ鞍馬山! くれぐれも散歩気分で挑むでなかれ
さて目指すは鞍馬寺。
とはいっても、鞍馬山全体がご神体であり
随所に参拝ポイント満載です。
叡山電車の終点、鞍馬駅を下車。↓
約5分ほど歩くと……。↓
鞍馬寺入り口に到着です。↓
寅のあ・うん像に迎えられ↓
いざ入山!
その前に鞍馬山の自然保持として
仁王門受付にて
入山料500円を支払います。
入山してすぐに
ケーブルカー利用(寄付金として片道200円)か
徒歩かの選択を迫られます。
ご自分の気持ちの赴くままに
選んでください。
ちなみに徒歩コースでしたら
由岐神社を参拝出来ます。
詳しくはこちらをご覧ください。↓
由岐神社を越えると↓
義経公供養塔や↓
尊天(大宇宙生命・宇宙エネルギー・宇宙の真理)
を具象化した「いのちの像」↓
などを見ることができます。
ゆっくりと歩いて約20分。
中門へ到着です。
仁王門からここまで602m。
ここから本殿までは393m。
ではこれより写真を見ながら
わたくしといっしょに本殿までご伴歩ください!
緑のカーテンから漏れる
木漏れ日が眩しい。↓
遠くに橋が見えてきます。↓
朱色と新緑のコントラストが美しいです。↓
右手に見える景色で
ずいぶん登ってきたなぁと思いつつ↓
たぶん、あと少し。
息は弾みますが空気が綺麗なので
呼吸さえ贅沢に感じます。
疲れたら左手にあるベンチで休んでも良し。↓
雲一つない青空!
新緑と赤灯篭が融和し
歩きながらもその美しさは眩しいくらいです。↓
階段途中の右手にある手水舎で身を清めれば↓
本殿に到着です!
本殿正面です。↓
お守りは本殿の中で拝受できます。
撮影や大きな声での会話などは原則禁止です。
どうぞ心静かにお参りください。
ここでも獣神である
あ・うんの虎が
お出迎えくださいました。↓
うんの虎の左側には虎石が。↓
虎石は令和3年に寄贈されたそうです。
幾層にもなった石の模様が自然に創られたなんて!
凝視してたらだんだん
丸まって寝そべっている虎に見えてきました。
金剛床で宇宙のパワーを受け取ろう!
絶対にスルーしてはいけない金剛床(こんごうしょう)。↓
尊天の宇宙エネルギーの波動が果てしなく広がる
星曼荼羅(ほしまんだら)を模しています。
内奥に宇宙の力を蔵する人間が
宇宙そのものである尊天と一体化する
修行の場となっているそうです。
「修行の場」と記しましたが
実際には「超絶人気のフォトスポットの場」
といったほうが正確かもしれません。
休日やシーズンは金剛床で写真を撮るために
ズラッと行列ができるそうです。↓
両手を天に向かって広げたポーズが
ここでのお決まりとなっています。
ちなみに
この三角の部分は踏まない方がいいという説があります。↓
手前に立つのが良いそうです。
ご参考までに。
とはいえ、撮影していたほとんどの方が
三角の上に立たれていたので
もしかすると他にも説があるのでしょうか??
本殿の真向かい側には翔雲台(しょううんだい)。↓
空と山が広がる絶景スポットでもあります。
翔雲台は
平安の時代、本尊が降臨した場所なのだそうです。
この日はトカゲが降臨していました。↓
本殿向かって右側に鎮座するのは
閼伽井護法善神社(あかいごほうぜんじんじゃ)。↓
水の神様が祀られています。
伝統行事の『竹伐り会式』は
1000年以上も継続されているそうです。
毎年6月20日に行われています。
補足情報として
階段を登り切った右手のところに
参拝者御休所があります。↓
一旦こちらで休憩されるのもいいですね。
他にも長椅子は各所にあります。
御休所の横の藤棚沿いにもベンチがあります。↓
ちなみに本殿を最終目的地とされている方も
たくさんいらっしゃいます。
なぜならここから
魔王殿~貴船神社を目指すとなると
本格的な登山!
となるからです。
この先お手洗いがないので
本殿敷地内(正確には階段を少し下ったところ)
を利用しておくとよいでしょう。
看板が出ておりますので
見逃さないと思います。
奥の道 義経の生涯と幼き牛若丸に想いを馳せる
では覚悟を決めて奥の院参道へ。↓
入門してすぐに手水舎がありますので
改めて清めましょう。
では奥の院参道参ります!↓
と思ったら階段の途中
右手に「鐘楼」と案内があったので
道を反れて山道を登っていきました。↓
「ここだったのか」と思いました。
というのも
本殿広場のベンチで休憩をとっていたときに
どこからともなく鐘の音が聞こえてきて
「いい音だなぁ~」と耳を澄ませていたからです。
わたくしが鳴らした鐘の音も
誰かの耳に届いて幸せな気持ちになってくれますように
そう思いながら心を込めて鳴らせて頂きました。
東京都荻窪から移築された
與謝野晶子の書斎、冬柏亭です。
心豊かな歌人には
室内に華美な装飾など必要ないのですね。
牛若丸が深夜、天狗に兵法を習うために
独り奥の院道を通っていたそうです。
その途中息つぎのために
こちらの湧水を飲んだされています。
息つぎの水です。↓
この日は残念なことに
一滴も零れていませんでした。
牛若丸になりきって
自前のミネラルウォーターで喉を潤しました。
息つぎの水から続く急勾配な坂の先に
革堂地蔵尊(屏風坂の地蔵堂)があります。↓
以前はお堂の前の坂道が一枚岩で屏風を
立てたような急坂になっていたことが
名前の由来だそうです。
奥の院まであと570m!↓
背比べ石です。↓
牛若丸が奥州平泉の藤原秀衡を頼って鞍馬寺を出奔することに。
その際、名残を惜しんで
この石と背比べをしたと伝承されています。
とても小さな石です。
まだまだ子供だった牛若丸の
この地を離れた後の波乱の人生を想うと
こみ上げてくるものがありました。
木の根道です。↓
根が地表に這っているのは
地盤が固く地中に入り難いから。
ここは牛若丸の修業の場でもあったそうです。
わたくしもぴょんぴょんと
木の根を飛び越えてみたかったのですが
看板に「できるだけ踏まないよう、やさしく接してください」
と書かれていたので
気を付けながらそ~っと歩くことにしました。
どんな土地にも順応して根をはる
たくましい植物をみていると
わたくしもこんな風に生きたいものだと
思うのであります。
ぜひ立ち寄ってほしいポイントです!
そうこう歩いていると
遠くにお堂が見えてきます。
やっと魔王殿に到着?!と思ったのですが
不動堂でした。↓
ここには最澄が彫ったという不動明王が
安置されているそうですが、中は覗けません。
それよりも後方にあった水場付近からの
カエルの大合唱がすごかったです!
調べてみますと
どうやらタゴガエルという名で
産卵期である初夏にかけて
鳴き声が盛んになるそうです。
「数十匹はいる? 」ってくらいの音量なのに
終ぞ、その姿を見ることができませんでした。
すぐ近くに義経堂が鎮座されています。↓
義経の魂はこの懐かしい鞍馬の山に帰ってきて
安寧の地とされたのですね。
合掌です。
義経堂の左横にそびえるご神杉も
大変立派な佇まいでした。↓
パワースポット魔王殿への参拝は気持ちを引き締めて
ようやく魔王殿に到着です。↓
この日この時だけだったのか
定かではないのですが、
敷地内に足を踏み入れると無風状態に。
「あれ? さっきまでの爽やかな風はどこに?」
大気の流れが静止していて
湿気を含んでモワっとしています。
わたくしの戸惑いとは裏腹に
テンション高めに写真撮影をする団体や
近くのベンチで食事をしている
登山ルックの男女などが
各々楽しそうに過ごしております。
違和感を感じているのは、わたくしだけ??
気にし過ぎだったかもしれません。
拝殿の奥には盤座(いわくら)と
連立する杉の木。↓
ここから凄いお力が溢れ湧いているようでした。
とにかくパワーが強い場所であることは確かです!
この世とは異なる空間が存在している?
そんな印象を受けたのでありました。
貴船へと続く下り山道は大自然の宝庫
魔王殿から貴船方面へ出られる西門まで
ほぼ下りなのですが、タフな坂道です。
この日は幸運にも
野生の鹿に出会えました。↓
全然逃げることなく人慣れしていたので
近くから撮影もできました。↓
足もとに気を付けながら歩いていると
だんだんと川流れの音が近くなってきます。
西門を出れば貴船川の美しい景色。↓
こちらからすぐの
貴船神社については
下記をぜひご覧ください。↓
叡山電車のお得な切符で美味しいラーメンも堪能
今回の鞍馬山までは
叡山電車を利用させて頂きました。
「きらら」という展望列車が数時間に1本運行しており
これに乗れたらラッキーです。
なんと乗れました!↓
窓が大きいので景色は最高です。
市原駅から二ノ瀬駅の「もみじのトンネル」区間では
運転手が少し減速してくれます。
ゆっくりと青もみじを鑑賞することができました。
わたくしは今回
らーめん切符(1900円)を利用してみました。↓
叡山電車一日乗り放題と十数店舗あるラーメン屋の中から
一杯、食べることができます。
はじめて知ったのですが
叡山電車の沿線沿いにある修学院駅から一乗寺駅にかけては
京都随一のラーメン激戦区なのだそうです。
そんな中からわたくしが選んだラーメン店は
一乗寺駅下車徒歩約10分の場所にある「聖」さんです。
HPはこちらです。↓
お洒落でカフェのような内装ですが、味は本格派。
随時ミスチルの音楽が流れています。
わたくしは厚切りチャーシューの入った
「ギフト」というラーメンをチョイスしました。↓
「GIFT」はミスチルの名曲中の名曲。
2008年北京オリンピックのNHKのテーマソングでもありました。
鞍馬山登頂でしっかり体を動かしたからこそ
美味しさもひとしおです。
今日も一日頑張ってくれたこの体に感謝。
いまこの時間を過ごしていることに感謝。
ミスチルの心地よい曲を聴きながら
幸せな気持ちに浸り
スープまで完食したのでした。
鞍馬山参拝で受け取った生きとし生けるものの真理
鞍馬山は自然の宝庫。
大地に降り注ぐ太陽の光と風と湧き出る水
樹木や花などの植物、トカゲ、カエル、鹿など
さまざまな生き物に遭遇しました。
地球では人間がピラミットの頂点――。
そう教えられてきて
これまで信じてきた人も多いと思います。
でも……はたして本当にそうでしょうか?
大自然の中にポツンと一人立っていると
人間はただの地球の一部で、上も下もない。
見るものすべてが自分自身であり
そのすべてと繋がっているんだと感じました。
まさに
お守りにデザインされた「羅網」のごとく。
わたくしたちは「共に生かされている命」であり
どんな命も本来、光り輝く宝珠であることを
深く胸に刻んだ鞍馬山の参拝となりました。
住所:京都府京都市左京区鞍馬本町1074
アクセス:叡山電鉄鞍馬線「鞍馬駅」下車。仁王門受付まで徒歩約5分
https://www.kuramadera.or.jp/
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