春日大社の神使「鹿」と神山「御蓋山」のコラボレーション
お守りコレクションblog
第207回目は奈良県奈良市にある
春日大社の叶守です。
初穂料1000円(授与時)。
春日大社といえば鹿。
神の使いであります。
奈良公園を中心としたこの地域には
約1300頭の鹿が生活しています。
鹿せんべいを見せると
お辞儀をするなんてかわいいですよね!
鹿せんべいを見せなくても
お辞儀しながら近づいてくる鹿もいますね。
というわけで
春日大社へ詣でたら、
やっぱり鹿がデザインされたお守りを
いただかないわけにはいきません。
そのような理由で拝受したのが今回の叶守です。
芝生の上に仲良く3頭の親子鹿が描かれ、
その背後には
山々の重なりが緑のグラデーションによって表現されています。
ぬくもりを感じるお守り。
親子鹿のキュートさはいうまでもなく、
緑は癒し効果がありますから、
その影響もプラスに働いているかと思います。
山々の一番手前にあるのが
おそらく春日大社の神山、御蓋山(みかさやま/春日山)。
こういう細かいところにも注目すると
お守りの楽しさが倍増します!
赤色の叶守の文字も
緑色によく映えて鮮やかです。
どのようなお守りかが一目で分かります。
願い事を紙に書いてお守りにしまい込む
裏面です。
鹿の代わって春日大社の文字。
鹿がいない風景だと
祭のあとの静けさのようで寂し気もします。
しかし
これはこれで味わい深いものがあるのも確か。
神社名が黒文字になっている点も
景色の静寂さをアシストしているのではないかと思います。
今回のお守りはユニークな点が2つあります。
1つ目は叶えたい願いを自分で書き込む点。
願い事を書く紙が同封されています。↓
願い事を書いたら、
もともと二つ折りになっていますので、
そのまま折ってお守り袋の中に納めればOK。
裏面はこうなっています。↓
お守りのおもて面と同じく
親子の鹿3頭います。
ただ、
山の形と色の配列が違っています。
2つ目はお守り袋がさらに袋に入っているという点。
このような形で授与されます。↓
和紙のような紙で作られた袋に
お守り本体が入っています。
真ん中に透明のシートが貼られ、
中を目視することができます。
木箱や額に入っているのはよくありますが、
お守り袋のようなものに入っているのは
珍しいのではないでしょうか。
立派な袋なので
中から出すのが何だか申し訳なく感じます。
でも
出さないと願い事を書けないし。。
この袋の裏面です。↓
祈願紙に願いを書込み
心中祈願をし、御守袋に入れ
大切に身に付けておいて下さい
願いが叶いましたらお返し下さい
春日大社
と書いてあります。
ここで重大なことが分かりますね。
1年経っても願いが叶っていなければ
お守りを返納しなくてもいいということです。
一般的にお守りは1年で返納し、
また新しくいただくものといわれています。
しかし
こちらのお守りはそうではない。
願いが叶わなかったら何年でも手元に置くことになるし、
1カ月で叶ったら、1か月でお返しする場合もある。
これもまた珍しいです。
かわいいお守りだからといって
ずっと持っていたいと思ってはダメですよ。
できれば早く願いを叶えて
一刻も早くお返ししたいですよね。
春日大社のお守り紹介はこちら
春日大社とは以下のようなところです。
まずは祓戸神社で心身をお清めをしてから
春日大社へは
前回206回目で紹介した氷の肌守を授与できる
氷室神社から向かいました。
この二社は横断歩道の対角線上にあります。
人々が集まっているところが
春日大社の参道入り口です。↓
春日大社参道を示す石柱の横に
神使である鹿がいました。↓
角が立派です。
奈良って感じです!
なぜ鹿が神使なのか?
奈良時代、
春日大社創建に際して、
茨城県の鹿島神宮の祭神である
武甕槌命(たけみかづちのみこと)が白鹿に乗ってやって来たことから、
奈良の鹿は春日大社の神使(しんし)とされ、
大切に扱われるようになったということです。
参道へ入りましょう。↓
公園を歩いているかのようですね。
そりゃそうです。
春日大社は奈良公園内にありますから。
公園らしい雰囲気から徐々に
神社の境内のような空気感へと変わっていきます。
左側にズラッと並んだ石灯籠がその証拠です。
鳥居が見えてきました。
鹿も増えて、普通に歩いています。↓
フンがそこら中に転がっているので
気をつけなくては!
鳥居の手前には
神鹿の像があります。↓
まるでもののけ姫に登場するヤックル!
凛としてカッコイイ。
鳥居です。↓
最初に出会った鳥居ですが、
こちらはニ之鳥居です。
え? 一之鳥居は?
撮り忘れました。。
氷室神社のほうから入ると
一之鳥居を通らないんですって。。
あとから知りました。
一之鳥居から二之鳥居までの道のりを示した
地図がありますのでご覧ください。↓
ニ乃鳥居を入ると
すぐ左側に祓戸神社があり、
その手前には
鹿の像と一体化した手水舎があります。↓
伏鹿手水所(ふせしかのてみずしょ)といいます。
鹿が巻物をくわえていますね。↓
ちょっと前までは巻物から水が出ていて、
それを柄杓に溜めて手と口を清めてから
祓戸神社へ参拝していたみたいです。
自分も巻物から水をいただきたかったなあ。
ちなみにこの水は春日大社の神山である
御蓋山から流れ出る水谷川(みずやがわ)から引いたものだそうです。
ここで手と口を清めたら
祓戸(はらえど)神社へ参拝を。↓
祓戸神社は春日大社が創建されたすぐあとの
770年に鎮座されたと伝えられています。
ご祭神の瀬織津姫は祓いの神様で、
知らず知らずのうちに犯した罪や穢れを祓い清め、
人々を幸せに導いてくれるといいます。
ちなみに
春日大社は768年11月9日に創建されました。
春日大社への参拝は、
まず祓戸神社で心身を清浄してから
スタートです。
本殿へ向かう正面入り口の楼門の名がなぜか南門
祓戸神社でお祓いを済ませ直進します。↓
まっすぐ行くと丁字路のようになっていて、
ここを左へ曲がると
春日大社のメイン、本殿が鎮座する場所へと到着します。
こちらが入り口の門となります。↓
正式には南門といい、
表参道を歩いて参拝するときにくぐる門となります。
高さ12mは春日大社最大の楼門。
南門といいながらも
正門としての役割を担っています。
南門を入ると廻廊になっており、
その正面には参拝所があります。↓
朱色の建物が多い春日大社の中で
素材そのものの色みを活かした参拝所は
なんだか異質な雰囲気です。
参拝所の奥に本殿があります。
ここから先へ行くには拝観料500円が必要。
ケチってもしょうがないので
行ってみましょう!
厳かな空気感に包まれた御蓋山浮雲峰遥拝所
参拝所で参拝を済ませたあと、
500円を納めて入場。
するとすぐに本殿がドンと見えます。↓
ブログを書いていて気づいたのですが、
雲が鹿の横顔に見えませんか?
だとしたら
わたくしは春日大社に歓迎されていたのかな?
そのときに気づきたかった。。
空の青、葉っぱの緑、神社の朱色。
写真映えするカラー構成です。
美しい!
ちなみに
本殿は内部が見えるような形での撮影はNG。
遠目からはOKということです。
警備員さんに確認しました。
といっても、
そもそも暖簾がかかっているので
撮影はおろか、
見ることすらできません。
階段を上ってから
本殿へそのまま向かうのではなく、
右へ行って廻廊を歩くと
たくさんの灯籠が飾られています。↓
今度は廻廊の外側を歩きます。↓
まっすぐ行くと
御蓋山(みかさやま)浮雲峰遥拝所があります。↓
こちらが御蓋山(みかさやま)浮雲峰遥拝所です。↓
御蓋山(みかさやま)浮雲峰は
奈良時代の初めに平城京の守護のため、
鹿島の武甕槌命(たけみかづちのみこと)が白鹿の背に乗り、
天降られた神蹟(神様が鎮まられている場所)です。
武甕槌命は春日大社の第一殿に祀られているご祭神。
その後、香取神宮の経津主命(ふつぬしのおおみこと)や
枚岡神社の天児屋根命(あめのこやねのみこと)と比売神(ひめがみ)も
御蓋山浮雲峰も鎮座し、
神奈備(かむなび=神が隠れこもる)として禁足地になりました。
上記は神話的な書き方ですが、
現実的に書くとこんな感じです。
奈良時代の初めに平城京鎮護のため、
まず武甕槌命を鹿島(茨城県)から
奈良の春日御蓋山頂に奉遷して祀りました。
それから数十年後の神護景雲2年に
藤原氏の血を引く女帝、称徳天皇の勅命によって、
左大臣藤原永手らが現在の場所に神殿を創建。
さらに香取(千葉県)の経津主命、
枚岡神社(大阪府)に祀る藤原氏の遠祖である天児屋根命と
比売神の四柱を併祀したのがその始まりとされています。
ちなみに
御蓋山浮雲峰は春日大社の本殿を通り、
平城京の大極殿まで続く尾根線上にあります。
このことから
このラインは神様の力が伝わる場所といわれています。
本殿の土台部分に鹿のシルエット!?
本殿へとやって来ました。
先述したとおり、
本殿の内部が見えるような形での撮影は禁止ですので、
写真はありません。
ただ
本殿の土台部分に非常に珍しいものがありましたので
写真に収めました。
こちらです。↓
鹿のように見えませんか?
わたくしにはそう見えます。
マスコットキャラクターのようなルックスとフォルム。
チャーミングです。
春日大社は本当に鹿に護られているんですね!
本殿のすぐそばには
樹齢1000年ともいわれるご神木があります。↓
樹高23m、幹回り7.94mの大杉です。
鎌倉時代後期の『春日権現験記』(1309年)にも
その姿が描かれているそうです。
出口へ向かって歩いて行くと
八雷神社(八龍神社)があります。↓
本殿の鬼門を護る役割を持つ神社です。
ご祭神の八雷大神(八大龍王)は雷と黒雲を自由に扱う神様。
御殿を自由に出入りし、人々の願いを叶えるとされています。
農業の盛んな時代、京都南部から奈良一帯に日照りが続き、
雨不足が起こると各地で雨乞いが行われ、
それでも叶わないときには八雷神社にて祈りを上げたといいます。
せっかくだから境内社にも行ってみよう!
春日大社は本殿のみならず、
見どころがたくさんあることでも有名です。
すべてを載せるのはさすがに無理ですが、
個人的にぜひ足を足を運んでいただきたい
スポットを3つほど紹介します。
若宮です。↓
本殿とほぼ同じ造りだそうです。
本殿の外観を見ることができても
内部を見ることはできません。
HPを見るに
このようなお社が4社並んでいるようです。
第一殿……武甕槌命(たけみかづちのみこと)
第二殿……経津主命(ふつぬしのみこと)
第三殿……天児屋根命(あめのこやねのみこと)
第四殿……比売神(ひめがみ)
若宮のご祭神は天押雲根命(あめのおしくもねのみこと)。
正しい知恵を授ける神様です。
金龍神社です。↓
南北朝時代、後醍醐天皇が鏡を奉安し、
天下泰平を祈願したのが金龍神社の始まりです。
開発や開拓を発展させ、
金運をもたらす御神徳があるとされています。
左側の龍の手には鏡らしきものが。
後醍醐天皇をイメージしているのでしょうか。↓
右側の龍の手には如意宝珠。
こちらはスタンダードな龍神様ですね。↓
如意宝珠は意のままに様々な願いをかなえる宝の珠です。
そんな珠があったらほしいですよね!
龍王珠石(りゅうおうじゅせき)です。↓
ご祭神は善女龍王(ぜんにょりゅうおう)。
日本における龍神信仰の起点は
娑加羅龍王の第三王女である善女龍王であり、
ここはその龍王の強い霊力を持つ尾珠が収められているところです。
古くからお参りの絶えない聖地で、
江戸時代の『奈良名所絵巻』にも記載されています。
夫婦大国社(めおとだいこくしゃ)も有名なのですが、
改装をしていたため、参拝できませんでした。
なので写真もありません。
残念。
春日大社はとても広い神社です。
本社、境内社をすべて参拝しようと思ったら半日はかかります。
周辺の氷室神社、東大寺、興福寺を含めたら
一日がかり。
それでも訪れる価値は十分あると思います。
なんていったって
日本の歴史には奈良時代という時代があったわけですから。
住所:奈良県奈良市春日野町160
アクセス:JR奈良駅または近鉄奈良駅から奈良交通バスの春日大社本殿行に乗り、
「春日大社本殿」で下車して、歩いてすぐ。
https://www.kasugataisha.or.jp/
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