お守り袋の中に邪気を払う魔除けの石「黒瑪瑙」が入っている
お守りコレクションblog
第209回目は奈良県吉野郡にある
丹生川上神社下社(にゅうかわかみじんじゃしもしゃ)の
水神力御霊守(すいじんりきみたままもり)です。
初穂料3000円(授与時)。
薄青色の巾着型お守りです。
真ん中に金色で水神力と書かれ、
そのまわりにはピンクと水色の桜の絵柄。
とても品がありますね!
お守りの中には
黒瑪瑙(くろめのう)というパワーストーンが入っています。
黒瑪瑙とはブラックオニキスのこと。
ギリシア語で「爪」を意味し、
ロザリオの素材に用いられてきた天然石です。
日本でも古来より邪気を払う魔除けの力があるとされ、
さらには
集中力を高め、忍耐力をもたらす働きがあるともいわれています。
授与されたときから
お守り袋の中にすでに入っているため
黒瑪瑙を実際に見ることはできないのですが
(紐をほどけば見れますがバチが当たりそうでできません)
実物が授与所に飾られてありました。
こちらです。↓
力と入っているのがインパクトありますね!
黒色の珠に金色で書かれているのが
またカッコイイ!
上社、中社、下社でストーンをいただき3石揃えてコンプリート
裏面です。
和州吉野鎮座 丹生川上神社三神
と入っています。
和州とは大和の国の別称で
現在の奈良県を指します。
丹生川上神社三神とは
丹生川上神社上社、丹生川上神社中社、丹生川上神社下社
であります。
上社、中社にも
下社とは別のストーンが用意され、
1つのお守り袋に3石を納めることで
水神力御霊守が完成するということです。↓
上社では水の霊を司る翡翠(ひすい)
中社では神の霊を司る紅水晶
下社では力の霊を司る黒瑪瑙(くろめのう)
を拝受できます。
つまり、
わたくしの今の状態では水神力御霊守は未完なのであります。
3つを揃えてコンプリートさせたいですね!
ちなみに
お守り袋は最初の神社にて呈上されます。
先ほど
(紐をほどけば見れますがバチが当たりそうでできません)
と書きましたが、
3つを一つのお守り袋に入れるわけですから、
紐をほどかないといけませんね。
そのときが来たらそうします。
丹生川上神社下社のご祭神は闇龗神(くらおかみのかみ)。
日本最古の水の神で、谷底に棲む龍神とも。
一方、
丹生川上神社上社のご祭神、高龗神(たかおかみのかみ)は
山の峰の龍神。
この二神は呼び名は違えど同じ神といわれており、
降雨・止雨を司る龍神であります。
丹生川上神社中社のご祭神は罔象女神(みづはのめのかみ)。
こちらも水の神さまで、美しい乙女の姿をしているとされています。
丹生川上神社下社とは以下のようなところです。
※公式HPはありません。
拝殿の背後にある木製75段の階(きざはし)は圧巻!
吉野の山郷を走る県道138号線。
通称赤滝五條線沿いに丹生川上神社下社は鎮座しています。
幟がズラッと並んでいる光景が目印です。↓
道路と並行して神社の名前にも入っている丹生川が流れています。↓
水がきれいな河川です。
神社へ上がる前にお清めを兼ねて
手を洗いました。
ひんやりして気持ちいい!
こちらが朱色の一の鳥居です。↓
周辺の色合いと馴染むような色使いがなされた神社において
朱色がひときわ目を引きます。
右側の社号標には
官幣大社丹生川上神社
と書かれています。
一の鳥居をくぐれば
すぐ目の前には二の鳥居。↓
二の鳥居の向こう側にあるのが拝殿となります。↓
丹生川上神社下社は雨乞いの神、
日本最古の水神を祀る神社として有名で、
675年、天武天皇によって創建されました。
延喜式内社、名神大社、二十二社、官幣大社と、
歴史上どの時代においても最高位の社格を有していました。
その名残として
官幣大社丹生川上神社という社号標があったのですね。
現在は特別な扱いとされる別表神社に定められています。
背後には丹生山。
山頂には本殿があり、そこへと続く
木製75段の階(きざはし)は
ため息をついてしまうほど見ものです。↓
毎年6月1日の例祭の日のみ、
一般参拝者もこの階を上り、
ご本殿を間近に参拝が許されるといいます。
階段を上ってみたい!
「絵馬発祥の地」らしく黒馬と白馬が飼育されている
一の鳥居と二の鳥居の間は
広場のようになっていて、
右側には小さいながらも馬の放牧場があります。
(さらに右へ進むと駐車場)
そこには
白と黒のお馬さんが。↓
古くから朝廷より
雨を祈り「黒馬」、晴れを祈り「白馬」
が献上されてきたといいます。
最初は天平宝字7年(763年)の黒毛馬の奉献でした。
その流れは室町時代に途絶えてしまいましたが、
2011年(平成23年)に国内で続けて起こった水に関する
災害の復興を祈り、
翌年に白馬献上のお祭りが約600年ぶりに復興しました。
その後、
神社を崇敬する方から神馬が奉納され、
境内で飼育され始めたそうです。
現在は故事にならい
丹生川上神社三社(上社、中社、下社)で
神馬献上の祭りが継承されています。
ちなみに
白い馬の名前は「白龍」。↓
黒い馬の名前は「黒龍」。↓
この
雨を祈り「黒馬」、晴れを祈り「白馬」の献上が
のちの絵馬へとつながることから、
丹生川上神社は三社(上社、中社、下社)含めて
絵馬発祥の社といわれています。
絵馬は
馬を奉納できない人が
木、紙、土で作った馬の像を奉納したところから始まり、
やがて馬形の板に色をつけた板立馬が登場、
そして板に馬の絵を描く絵馬へと発展したといいます。
板立馬の最初は貴船神社といわれています。
この平安京にある貴船神社は水神に対する信仰において
平城京の丹生川上神社から受け継がれた神社。
この板立馬が絵馬の直接的な原形を成すことから
貴船神社もまた絵馬発祥の地と呼ばれています。
ご神水、ご神木、ご神石のパワーをいただき心身ともに元気に
丹生川上神社下社へ上がったら
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丹生の御食の井(みけのい)。↓
拝殿の左側にある神様にお供えする御神水。
古来より枯れることなく湧き続けているといいます。
蛇口が設置されており、飲水が可能。
お土産として水が汲んで持ち帰る人も多いそうです。
欅(けやき)のご神木。↓
拝殿の左奥にある樹齢五百年の巨樹です。
樹高約30m、株回り約4.5m。
案内板には
「心静かに大木の幹に手を触れて生気をいただきながら
何か一つだけ願いをかけてみよう。
思わぬご利益に預かることができるか」」
と紹介されています。
わたしも実際に触れて願いをかけてみました!
牛石。↓
大正天皇御大典の奉祝を記念して安置されたものだそうです。
その形が牛のように見えることから
牛石と呼ばれるようになり、
物事をじっくり見極めて
辛抱強く進んでいく「静」の象徴となっています。
掲示板には
「優しく三回撫てあげると思いがけない幸運に恵まれるかも」
とあります。
蛙石。↓
蛙が立ち上がった姿に見えることから
蛙石と名付けられました。
ピョンと跳ねる瞬発力が持ち味の蛙は
物事を瞬時に捉えて判断する「動」の象徴となっています。
2つの石は隣合っています。↓
動と静の対照的な石を並べて置くことで
即決すべきか熟慮すべきか迷ったとき
それぞれの石に触れて考えてみると
石の精がベストの決断を与えてくれるといいます。
今回の丹生川上神社下社は
偶然に参拝することができた神社。
予備知識がなく、
たまたま訪れたところが絵馬発祥の社だなんて
幸運です!
75段の階(きざはし)も
まるで天へと昇っていくようで魅了されてしまいます。
奈良の奥深さを感じるとともに
もっと深く知りたい気分になりました。
住所:奈良県吉野郡下市町長谷1-1
アクセス:近鉄下市口駅から奈良交通バスに乗り『長谷』にて下車、徒歩約1分
公式HPはありません。
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