蛇はご祭神である大物主大神の化身
お守りコレクションblog
第211回目は奈良県桜井市にある
大神(おおみわ)神社のみまもりです。
初穂料1000円(授与時)。
2025年巳年にピッタリなお守りです。
折り目のついた、まるで金屏風のような背景の真ん中に白い蛇。
蛇は、大神神社のご祭神である大物主大神(おおものぬしのおおかみ)
の化身といわれています。
そのエピソードは下の【6.蛇体の神と卵】をどうぞ。↓
このことから大神神社では
蛇は「巳(み)さん」と親しみを込めて呼ばれ、
福徳をもたらす霊威(れいい)として崇められているそうです。
さらに
境内には白蛇が棲むといわれる
巳の神杉(みのかみすぎ)というご神木もあります。↓
樹齢500年といわれる巨樹で、
杉の洞から白蛇が出入りしているそう。
ご祭神の住み家である巳の神杉の前を
神社関係者が通過する際、
足を止めて一礼する姿を何度も見かけました。
神聖な神杉に対する畏敬の念を感じますね!
蛇を表す巳(み)は「実」「身」「見」とつながる
そもそも蛇は
昔から人間に利益をもたらしてくれる生き物でした。
農耕生活を営む人間にとって、
農作物を食い荒らす虫やネズミなどの害獣を捕食してくれる
頼もしい存在だったのです。
穀物が実るのを守る蛇の別称は
おなじみの巳(み)。
「巳(み)」は「実(み)」につながることから
みまもりは実守りと読むことができます。
穀物は財を指しますから、金運アップとなりますよね。
みまもりは身守りとも解釈できます。
身体を守る、健康を守るご利益も期待できそうです。
また
平仮名ゆえに見守りとも読めますよね。
神様があなたを守るとも考えられます。
そのようなことから
今回のみまもりは万能のお守り
といっても差し支えないでしょう!
みまもりの白蛇の頭上には社紋があります。↓
これは三本杉です。
杉は直線に伸び、大きいもので50mを超えるものもあるそうです。
天に届きそうなくらいにまで成長するその姿は
古来より神が降臨するするにふさわしい霊木として崇められてきました。
大神神社にはかつて
7本の神杉(現在は3本の根株のみが現存)がありました。
加えて
神職の大神さんの家紋が杉であることから
このような社紋となったのではないかと思っています。
※みまもりの裏面は
文字や絵柄がなく、
金色のみですので省略いたします。
大神神社のお守り紹介はこちら①
大神神社のお守り紹介はこちら②
大神神社とは以下のようなところです。
いきなり大神神社へ向かうのではなく、遠回りして大鳥居から参拝
大神神社の最寄り駅はJR桜井線の三輪駅。
駅に到着したらそのまま神社を目指したくなりますが、
逆方向へと向かいます。
なぜかというと
正式なスタート地点から参拝するためです。
まずは大鳥居。
大鳥居の向こう側が大神神社になります。
(まだまだ遠いので見えません)↓
1984年(昭和59年)の昭和天皇御親拝を記念して
1986年(昭和61年)に建てられました。
高さ32.2m、柱間23m、総重量185tの偉容を誇り、
車道をまたぐ鳥居としては日本一。
自動車がなんと小さく写ることか!
風力80m、マグニチュード10に耐えうるだけの強度を持ち、
耐久年数1300年といわれています。
大鳥居からやや右側へずれると
祓戸の神を祀る綱越神社があります。↓
大神神社参道の入り口に位置し、
祓戸の大神を祀っています。
往昔から夏越しの祓え(なごしのはらえ)が例祭として行われ、
社名の綱越は「夏越し」が訛ったものといわれています。
例祭「御祓祭(おんぱらさい)」の名から
神社は通称「おんぱらさん」と親しまれているそうです。
綱越神社から大鳥居が建てられた大通りではなく、
裏通りのような小道を大神神社の方向へと歩いて行くと
一の鳥居へ到着します。↓
目立つところにあるわけではないので
地図で確認しながら向かうといいですよ。
社号標も建っています。↓
當國一宮 官幣大社 大神神社
と書いてあります。
當國(とうごく)とは当国のこと。
「この国」という意味です。
當國一宮とはこの国の一宮。大和国の一之宮となります。
官幣大社とは
律令制において、神祇官から幣帛(へいはく)を捧げられた
格式の高い官幣社の中で、最も位が上位の神社のこと。
つまり社号標には
日本の社格制度で最も位の高い大和国一宮の大神神社
と書かれているわけです。
ちなみに大神神社から一の鳥居までの距離は
こんな感じです。↓
見てのとおり、
一の鳥居は大神神社の入り口となる二の鳥居と
まったく別のところにあるのが確認できるかと思います。
JR桜井線の線路を挟みますからね。
一の鳥居を入ると、
その先にあるのは大神教本院という御祈祷所。↓
大神神社は「上の宮」なのに対し、大神教本院は「下の宮」。
かつては「三輪へ参らば上下かけよ。どちら欠いても片参り」
と、いわれていたそうです。
もともとは大神神社と一体でしたが、
明治政府の方針により分離させられてしまいました。
現在はそれが解かれ、「下の宮」としての
位置づけがされているということです。
中を覗くと
三ツ鳥居がありました。↓
日本神話において天地創造のときに最初に現れた、
造化三神(ぞうかのさんしん)を表わし、
心身を清らかにして通り抜けることで
三神の神理・神縁を得られるとされています。
実は拝観中止となっておりますが、
大神神社にも三ツ鳥居があります。
神の山である三輪山と拝殿を区切る、
いわば結界としての役割を担い、
本殿を持たない大神神社にとって、
それに代わるものとして神聖視されているそうです。
手水舎の吐水口が蛇になっている
こちらが二の鳥居です。↓
ここから先が本格的な大神神社となります。
見るからに神聖な雰囲気に包まれています。
扁額には三輪明神の文字。↓
ミントグリーンとゴールドの2色使いがクールですね!
神様へとつながる一本道の参道です。↓
身体が新鮮な空気に包まれ、
勝手に浄化されていくような感覚に見舞われます。
気持ち良く参道を進んでいくと
左側に境内で最初に出くわすこととなる
祓戸神社があります。↓
参道を歩ているだけでも
心身が清められていく感じがするのに、
拝殿へ向かう前に
ここを参拝してさらに祓い清めれば
鬼に金棒ですね!
祓戸神社には祓戸の四神である、
瀬織津比売(せおりつひめ)
速開都比売(はやあきつひめ)
気吹戸主(いぶきどぬし)
速佐須良比売(はやさすらひめ)
が祀られています。
参拝を済ませ、歩を進めると
すぐに夫婦岩があります。↓
神の鎮まる磐座(いわくら)の一つで、
縁結び・夫婦円満のご利益があるとされています。
仲睦まじく、寄り添っているように見えますね。↓
階段を上がれば拝殿です。
もうすでに屋根の一部が見えています。↓
おっとその前に。
手水舎でお手を清めましょう。
さすが吐水口が蛇になっています。
まさしく蛇口ですね。↓
よく見かけるのは龍ですよね。
その場合は吐水龍といいますので、
するとこちらは吐水蛇となるのでしょうか。
古くから神様の中の大神様として崇められてきた大神神社
拝殿に到着です。↓
実は翌朝も参拝へ上がっておりまして、
そのときの写真が非常に神々しかったので掲載します。↓
朝日の光をシャワーのように浴びる拝殿。
虹のように輝く光線がまるでご祭神からのご加護であるかのように
美しく、そして力強く大神神社を照らしていました。
拝殿まで向かわずに
右側に目を向けると
前で紹介した巳の神杉があります。↓
巳の神杉の前には台が設置されていて、
蛇の好物である卵が参拝者によってお供えされています。↓
大神神社は
大国主大神が自らの和魂(にぎみたま)を三輪山に鎮め、
大物主神の名をもって祀られたのが始まり。
本殿を設けず、
拝殿の奥にある三輪山に祈りを捧げる
仏教伝来以前の自然崇拝の姿、原初の神祀りを今に伝える
日本最古の神社といわれています。
神社名の大神はおおみわと読み、
古くから神様の中の大神様として尊ばれてきました。
大物主神は国造りの神として日本神話に登場する神。
農業、工業、商業すべての産業開発、
さらには
方除(ほうよけ)、治病、造酒、製薬、禁厭(まじない)、
交通、航海、縁結びなど、
世の中の幸福を増進する守護神といわれています。
拝殿は1664年(寛文4年)に
徳川家綱公により再建され、
現在は国の重要文化財に指定されています。
知る人ぞ知るなで兎を撫でて健康と開運を祈願
拝殿の左側には参集殿があり、
建物の中へ入ると
なで兎が置かれています。↓
いつの頃からか誰が言ったのか、不明なのですが、
この兎の置物を撫でると
身体の痛いところを癒してくれる
願い事を叶えてくれる
といわれるようになったとのこと。
知る人ぞ知る存在だそうです。
第2章で
「大神神社にはかつて7本の神杉(現在は3本の根株のみが現存)がありました」
と書きました。
現存している根株がこちらです。
衣掛杉(ころもがけのすぎ)。↓
謡曲『三輪』で、
僧の玄賓(げんぴん)が三輪の神様の化身である里女に与えた衣が懸かっていた
と、唄われた伝説の杉だそうです。
志るしの杉。↓
しるしとは、神仏のお告げ(示現/じげん)のこと。
三輪の大神が現れた杉とされていることから、
神の坐す杉といわれています。
おだまき杉(緒環杉)もあるのですが、
見つけることができず、写真がありません。。
こちらを参照してください。↓
拝殿を正面に見ながら
左の方角へと進むと、
病気平癒の神様を祀る狭井(さい)神社と、
受験合格・学業向上の神様を祀る
久延彦神社 (くえひこじんじゃ)へ
向かうことができます。↓
こちらは社殿が大きく、神職さんも常駐しているので、
境内社というよりかは
独立しているのではないかと思うようなイメージです。
大神神社へ上がったら
ぜひとも参拝してほしい神社です。
特に狭井神社は
三輪の神様の荒魂(あらみたま)を祀り、
ご神水を汲む場所もあります。
神社の右側からは
ご神体である三輪山へ登ることができます。
三輪山登拝は撮影NGですので写真はありませんが、
登山してきました。
狭井神社については
お守りを含めて
また別の記事で紹介したいと思います。
最後に。
大神神社からの帰り道でとてもすばらしい景色と遭遇しました。↓
太陽の力が強すぎて
雲に覆われているにもかかわらず、
突き破って光を放っている様子。
神様から「暗くなる前に気をつけて帰りなさい」と
言われている気分でした。
神様の中の大神様。
参拝できたことに感謝です。
住所:奈良県桜井市三輪1422
アクセス:JR桜井線三輪駅より徒歩約10分
https://oomiwa.or.jp/
コメント