恵比寿様と龍神様の、水に関わる二神のコラボ
お守りコレクションblog
第224回目は東京都渋谷区恵比寿西にある
恵比寿神社の肌守です。
初穂料1000円(授与時)。

お守りの名前や説明が書かれた厚紙とともに
透明の袋に納められたお守りですが、
撮影のために外したのが上の状態です。
エンジとグリーンの2種類があり、
前者のほうが絵柄が見えやすかったので
選びました。
お守りには
右手に釣り竿を持ち、左脇に鯛を抱える
恵比寿様が描かれています。
笑顔に癒されます!
恵比寿様の後ろには龍神様が。
何か関係があるのでしょうか?
恵比寿神は漁業の神様であることから水に関わる神格を持つ。
龍神は水神として広く信仰されており、水や海を司る存在。
二神には水に関わる共通点があります。
このことから恵比寿神が龍神信仰と結び付けられ、
龍神を祀る神社の中には
恵比寿神もいっしょに祀られているところも
少なからずあるようです。
しかも一部の地域では
恵比寿様が龍に乗って海を渡るという伝承が残っているなど、
両者の関係を示唆するお話も存在しているということです。
ということですから、
恵比寿様と龍神様が並んでいたとしても
ともに水や豊穣に関わる神様ですから
何ら違和感はないということになりますよね。
恵比寿神社の社紋は「丸に三つ柏」か? 「丸に蔓柏」か?
裏面です。

恵比寿神社という文字の上に
社紋が入っています。
???
これは丸に三つ柏という紋なのでは。
見やすいように紋の画像を貼りつけました。↓

恵比寿神社の社紋は丸に蔓柏のはず。↓

なぜこのようになってしまったのかは分かりません。
お守りの絵柄は刺繍ですから、
細かいところまで再現するのが難しかったのかもしれませんね。
お守りの背景に描かれている柄は青海波です。
どこまでも広がる波が幸運をもたらす
という意味があり、
恵比寿様が龍に乗って海を渡るという伝承ともつながりますね。
恵比寿神社とは以下のようなところです。
※公式HPはありません。
恵比寿という地名は恵比寿(ヱビス)ビールが由来
恵比寿神社はその名のとおり
JR恵比寿駅、東京メトロ日比谷線の恵比寿駅が最寄り駅。
恵比寿という地名は、
日本麦酒醸造会社(現在のサッポロビール)の
恵比寿ビール(現在のヱビスビール)を由来としています。
意外や意外……。七福神の恵比寿様ではないんですね。
日本麦酒醸造有限会社は1887年(明治20年)に
現在の恵比寿ガーデンプレイスの位置に設立されました。
その3年後の1890年(明治23年)に恵比寿ビールが誕生します。
1901年(明治34年)に
恵比寿ビール出荷専門の貨物駅が新設され、
ブランド名をとって恵比寿停車場と名付けられました。
1906年(明治39年)には旅客の取り扱いを開始します。
1928年(昭和3年)、
渋谷町渋谷の伊達跡などが恵比寿通1・2丁目と改称。
これが恵比寿が使われた最初の地名だそうです。
1966年(昭和41年)には
山下町、新橋町、豊沢町、伊達町、景丘町の5つの町が
現在の恵比寿1〜4丁目へと改称されて
今に至ります。
エキチカの裏道に静かに佇む恵比寿神社
恵比寿神社へ向かうには
JR恵比寿駅西口から目の前の大通り(都道416号)を
南の方向(中目黒方面)へと歩き、
恵比寿商店街会館の角を右へ曲がって、↓

真っ直ぐ進むと↓

到着します。↓

道の突き当りに社殿があり、
神社を避けるように
左右に道が分かれているのが
おもしろい構造だなと思います。
角度を変えて見たらこんな感じです。↓

円を描くような石柱の囲いに
何となく芸術性を感じてしまうのはわたくしだけでしょうか。
拝殿の扉に書かれた「心願成就」「美徳天道」が心に響く
拝殿です。↓

右に心願成就。↓

左に美徳天道。↓

美徳天道とは
美しい徳を備えた者が天道にかなった行いをすることで
より良い結果を得るという意味です。
天道とは自然界の摂理や法則、または宇宙の真理を指します。
仏教では、善因善果、悪因悪果という因果応報の法則が説かれており、
美しい徳を備えた者が天道にかなった行いをすれば、
必ず良い結果が返ってくると考えられているそうです。
これも神仏習合の名残でしょうか。
拝殿の扉にもありましたが、
燈籠にも入っている三角のマークは何でしょうか?
社紋は丸に蔓柏のはずですが……。↓

この三角形は
兵庫県の西宮神社の社紋と同じです。
戦後、区画整理により現在地に社殿を造営し、
これを機に
恵比寿という地名に倣って
西宮神社より商売繁盛や縁結びの神である
恵比寿様を合祀しました。
そして天津神社という社名から恵比寿神社に改めます。
この経緯があるがゆえに
西宮神社の社紋が示されているのだと考えます。
恵比寿神社のご祭神は
国常立神
豊雲野神
角杙神
意富斗能地神
伊邪那岐命
伊邪那美命
蛭子大神(ひるこのおおかみ/恵比寿様)
景行天皇の時代(約2000年前)、
日本武尊が東国平定の折にこの地で休憩をした際、
神世七代のうちの六柱を祀ったのが創建といわれています。
その後、
天津神社(大六天様)と称して
家内安全、無病息災、五穀豊穣の神として
広く崇められてきたという歴史があります。
そういえば
恵比寿神社には社殿だけしかなく、
授与所が存在しません。
ではどこでお守りをいただいたのか。
こちらです。↓

恵比寿神社へ行く途中にあった恵比寿商店街会館。
御朱印もこちらでいただけます。
ここが授与所を兼ねているなんて
恵比寿神社がいかに
この街になくてはならないものかが分かりますね。
恵比寿といえば
東京の住みたい街ランキングで
常に上位に入る人気タウン。
おしゃれなショップ、カフェ、飲食店が建ち並びながらも、
どこか昔の懐かしさが残る親しみやすさがあります。
恵比寿神社を参拝したら、
街を散策してみるのも楽しいですよ。
ちなみに
かつてギタリストの布袋寅泰さんが住んでいたらしく
「恵比寿に布袋か」
と笑い話になったとか。
住所:東京都渋谷区恵比寿西1-11-1
アクセス:JR恵比寿駅西口より徒歩約3分
東京メトロ日比谷線 恵比寿駅より徒歩約2分
※公式HPはありません。
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