【秩父神社の知恵梟守り】北辰の梟を描いた知恵と福を呼ぶお守り

埼玉
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知恵梟は後ろを振り向いている姿

お守りコレクションblog
第232回目は埼玉県秩父市にある
秩父神社知恵梟(ちえふくろう)守りです。
初穂料1000円(授与時)。

中心からやや左側にふくろうがいて、
右に知恵梟(ちえふくろう)という文字が書かれています。
ふくろうの頭上には葉が、
梟の字の下にはお花が描かれています。

こちらのふくろうはちゃんと名前があるんです!
北辰の梟(ほくしんのふくろう)
社殿(1592年造営)の装飾のひとつです。
実物がこちら。↓

こちらの北辰の梟は、
実は正面ではなく、後ろを振り向いている姿で彫られています。
つまり、
体は正面のご本殿に向き、頭は正反対の真北を向いているという状態です。

真北には北辰(北極星)があり、
北極星を神と崇める妙見信仰と深い関係があります。
ふくろうが見ているのは神様の方向。
つまり体全体で昼夜を問わず
ご祭神をお守りしているというわけです。

知る人ぞ知る非常に手の込んだディテールですね!

また北辰の梟はその姿勢から
過去を振り返り、未来を正しく見通す象徴なのだという話もあります。

ふくろうは「不苦労」「福来郎」とも書き、
瑞鳥(ずいちょう=縁起のいい鳥)ともいわれています。
学問の知恵災厄を除ける力、福を呼ぶ鳥であり、
学業成就、開運、先を見通す知恵のご利益を持つ鳥として
とても人気があるんですよ。

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裏面に描かれた二羽は北辰の梟の隣にいる鳥

裏面です。

真ん中に秩父神社と入っています。
ちなみに
秩父神社の扁額を見ると
秩父が知知夫となっています。↓

昔は知知夫といったそうで、
古事記や日本書紀にも登場する古い地名表記だそうです。
この地域は「知知夫国(ちちぶのくに)」と呼ばれ、
のちに秩父と当てられるようになりました。

尾の長い鳥と背中を向けて飛んでいる鳥が見えますね。
この二羽は
北辰の梟の脇に彫られた彫刻です。
実物がこちら。↓

どんな種類の鳥なのかは不明です。
想像上の鳥なのかもしれませんね。

秩父神社とは以下のようなところです。

秩父神社
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手水舎の精巧な彫刻は一見の価値あり!

秩父鉄道秩父駅から徒歩約6分。
西武秩父線西武秩父駅からだと徒歩約15分の
ところに秩父神社は鎮座しています。↓

大鳥居を入ると
左側に手水舎があります。↓

精巧な木彫りが施されており、
つい「美しい」と声が漏れてしまいます。↓

中でも
柱に施されている毘沙門亀甲(びしゃもんきっこう)と呼ばれる文様は圧巻で、
長寿・健康・魔除けの意味を持つとされています。↓

右側に平成殿・社務所があります。↓

平成の御大典記念事業として、平成9年春に竣工しました。

御鎮座2100年とあります。
伝承によると
紀元前85年(崇神天皇10年) の創建といわれおり、
とてつもなく歴史のある神社なのです。

参道を真っ直ぐ進むと神門があります。↓

朱色を基調とし、
唐破風(からはふ)の屋根意匠を持つ構造になっています。
神門の奥には拝殿が見えています。

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東西南北に施された彫刻は絶対に見逃せない!

拝殿です。↓

天正20年(1592年)9月に徳川家康が社領57石を寄進し、
当時の代官であった成瀬吉右衛門が建造。
その権現造りの美しさは、埼玉県内でも随一といわれているそうです。

色彩を楽しむ装飾も見事ですね!↓

上記の彫刻はまだまだ序の口。
秩父神社へ参ったら、
ぜひ見てほしいのが拝殿や本殿を含む
社殿の四方(南・東・北・西)に施されていた彫刻です。

拝殿から時計回りに行きましょう!
まず最初にあるのが
子宝・子育ての虎。↓

子虎とたわむれる親虎の彫刻は、
名エとして名高い左甚五郎が
寅の年、寅の日、寅の刻生まれの徳川家康の威厳を
表現したものとして伝えられています。
ここでポイントなのが虎なのに豹柄であること。
当時の狩野派では、虎の群れの中に必ず一匹の豹を描くことが
ルールだったことから、
母虎をあえて豹として描かれているというわけです。
おもしろいですよね!

次に登場するのが
お元気三猿。↓

三猿といえば「見ざる・言わざる・聞かざる」の日光東照宮が有名ですが、
秩父神社の三猿は「よく見て・よく聞いて・よく話す」ということで
お元気三猿として親しまれているそうです。
もうちょっと拡大して見ましょう。↓

横に並ぶ三匹のお猿さんは「よく見て・よく聞いて・よく話す」
どれに該当するのでしょうか。
真ん中のお猿さんが左のお猿さんに向かって
口を開けてしゃべりかけているように見えるので
「よく話す」に当たるのかと思います。
となると、
左のしゃべりかけられているお猿さんが「よく聞いて」になるのでしょうね。
個人的には「よく見て」にも見えてしまうのですが。
残った右のお猿さんが「よく見て」になりますね。

次に登場するのが
ちょうど本殿の裏側に位置し、
今回のお守りのモチーフともなっている
北辰の梟。↓

目線から近い位置にあるように思われますが、
ズームで撮影しているからそう見えるだけで、
実際はこんな遠いんです。↓

パッと見ただけでは
どこにあるのか分かりません。

最後はつなぎの龍。↓

色鮮やかな周辺の装飾と同化して
見づらいかもしれないので拡大します。↓

つなぎの龍にはこんな逸話が残っています。
その昔、秩父観音霊場札所十五番である少林寺の近くの天ヶ池に龍が住みつき、
暴れた際には、必ずこの彫刻の下に水溜りができていました。
そこで、この彫り物の龍を鎖で繋ぎ止めたところ、
その後、龍は現れなくなったということです。
「つなぎ」とは龍を鎖で繋いだという意味であります。
この彫刻も左甚五郎の作といわれています。

左甚五郎とは?
伝説的な彫刻職人で、江戸時代初期(17世紀ごろ)の人物といわれています。
代表的な作品が
日光東照宮(栃木)の「三猿(見ざる・言わざる・聞かざる)」「眠り猫
秩父神社北辰の梟
建仁寺(京都)の「忘れ傘
木彫りの技術に長け、動物や人物をまるで生きているかのように表現したことから、
彫った動物が動き出したという逸話が各地に残っています。
ただ、史料上はっきりした人物像が見えないため、実在したかどうか確認できず、複数の名工の業績が「左甚五郎」という名前に集約された可能性を指摘する専門家もいます。

社殿の四方に施されていた彫刻は
見逃せませんよ!

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なとも不思議な「乳銀杏」もご覧あれ!

拝殿の左側に
女性のふくよかな乳房のような形に育ったことから
乳銀杏(ちちいちょう)と呼ばれ
親しまれている銀杏の木があります。↓

秩父神社へ訪れたら
こちらもチェックしてください!

1933年(昭和8年)に秩父宮勢津子妃殿下がお手植えになったものです。
太い枝の付け根付近から垂れ下がっている「乳房」部分には
多量の澱粉が蓄積されています。↓

成長の発育を妨げられた短い枝や、
そこから発生した潜伏生の不定芽のところで
栄養素が蓄積されることにって
このような形になりました。

雌雄の株とは無関係といわれているそうですが、
雌木に少ない傾向があるとのこと。
その理由は
雌木は種子を付け、栄養分を消耗するからだそうです。

境内の池には鯉がたくさん。↓

餌やりもできますよ!

秩父神社は三峯神社、寶登山(ほどさん)神社とともに
秩父三大神社に数えられ、
2100年もの歴史を持つ由緒正しい神社。
ぜひ参拝へ上がってみてください!

知恵梟守りもいいですよ!

お守りコレクションblogでは
三峯神社や寶登山神社のお守りも紹介しています。

住所:埼玉県秩父市番場町1-3
アクセス:秩父鉄道『秩父駅』から徒歩約6分、
     西武秩父線『西武秩父駅』からだと徒歩約15分
https://www.chichibu-jinja.or.jp/

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