日本の伝統的な菱文様に込められた鉄壁の守り
お守りコレクションblog
第260回目は福岡県福岡市東区にある
筥崎宮(はこざきぐう)の勝守です。
初穂料1000円(授与時)。

黄金色ベースに銀色や明るい黄色で描かれた菱文様。
菱形の鋭い角には厄を跳ね返すという力があり
古くから魔除けの護符として使われてきました。
菱形の中にさらに小さな菱形が重なる入子菱(いれこびし)は
層を成すことで守護の力をさらに強めるという意味があります。↓

そして菱形が重なる様子は
血脈が絶えないことや家運が何代も続くことも象徴しているのです。
その中心にある勝守という文字を
重厚な菱紋が取り囲んでいる構成は、まさに
幾重にも守護を固め勝利するという祈りが込められているようです。↓

また
円形のご神紋を四方にデザインしたことで
鋭さだけでなく柔和なニュアンスを与えているところが秀逸です。↓

この三つ巴は古来より火災除けや武神の象徴であり
八幡宮の象徴でもあります。
そう、ここ筥崎宮は日本三大八幡宮のひとつなのです。
他2社は
大分県 宇佐神宮
京都府 石清水八幡宮
といわれています。
(※神奈川・鶴岡八幡宮が含まれるなど諸説あり)
ジオメトリックなデザインは現代人の感性とも共鳴
裏面です。

生地は表と同様、中心に筥崎宮と描かれ
菱形がしっかりと囲んで守っているようです。
四角い模様の中に秘めた鉄壁の守り
勝利への熱い思いが伝わるようです。
勝守は他にも白色と赤色がありました。
デザインはいっしょですが、色が変わると印象も異なります。
お好みの色を直感で選ぶことをおススメします。
伝統的な文様も組み合わせ・配置・色使いで
現代アートのような芸術性を醸し出す
わたくしのお守りコレクション心をくすぐる
美意識の高いお守りだと思います。
大地と繋がるどっしりとした建造物に力強さを感じる
筥崎宮へは地下鉄箱崎線の箱崎宮前駅で下車。

←4番出口のエレベーター、または1番出口を利用すれば、すぐに参道が見えてきます。
↓まずはどーんと二之鳥居です。


←自販機でドリンクはいかがですか?
ここにしかない筥崎宮デザインの自動販売機です。
観光地価格ではない良心的なお値段でした!
ここから参道を3分ほど歩けば門前にたどり着きます。↓

こちらが一之鳥居です。

一之鳥居は慶長14年(1609)、藩主黒田長政が建立しました。
この鳥居の柱は三段に切れ、下肥りに台石に続いています。
笠木島木(かさぎしまぎ)は1つの石材で造られ、
先端が反り上がり、貫と笠木の長さが同じという
異色の鳥居であり筥崎鳥居と呼ばれています。
他では見られない
足腰のしっかりした鳥居ですね。
門前を守る狛犬様。
こちらは籠神社(このじんじゃ)型と呼ばれる狛犬になります。↓

大きく張り出した胸板と、太くがっしりとした前足が特徴です。
1923年に奉納され、100年以上経過しています。
そんな長い月日、ここを守ってくださっているんですね。
この狛犬を見つめていたら
”威風堂々”とはこのようなお姿なのだろうなと思いました。↓

では鳥居をくぐり、境内の中へと向かいます。
パワースポットが楽しすぎてなかなか拝殿にたどり着けない
鳥居の先はまっすぐ正面に
楼門・拝殿を望むことができるロケーションです。
抜けるような空間、気の通りがすばらしい!↓

右手に手水舎があります。↓

前後に6か所、右横に2か所、計14本の
銀の蛇口から水が流れているのが他にはない造りです。
左横には蛇口は無いの??
はい、左側は銭洗い御神水となっております。↓

ご自身がお持ちのお金を銭洗いしてから
福寿開運を念じてください。
手順は以下となります。
①お金をてぼ(竹籠)に入れます
②ご神水で洗い清めてご利益を念じます
③てぼから取り出し、タオル等で拭きます
お清めしたお金を入れてお守りとする
銭洗い金運守りも授与所で求めることができます。↓

こちらでお金を清めておりますと、

←目線の先にとても立派な樹があることに気付きます。
樹齢800年を超える大楠です。
幹周11.40m、樹高は15m。
(※環境省巨樹データベース2000年調査より)
鳥居や狛犬様と同じく
大地にどっしりと構えています。
→幹や枝には宿り系の植物が寄り添い、
幸せそうに共存しています。


←これだけ立派で貫禄がありながら
主幹の空洞化など樹形が完全ではないためか
現状では文化財指定を受けていないそうです。
無冠の守り神、潔くてかっこいいなと思いました。
この辺りは見どころスポット満載でして、

←放生池のそばには夫婦岩。
→銭洗御神水の背後には
この石を撫でると運が湧くという
パワースポットとして大人気の湧出石。

→室町時代に描かれた筥崎宮縁起絵巻にも
この石の姿が記されており、
長きにわたって境内の同じ場所に存在し続け
ています。
国に一大事があるとき、地上に姿を現すとい
われており、天変地異を占うための特別な石
として重んじられてきたそうです。

お潮井砂を頂ける場所があります。↓

←博多では筥崎宮前の海岸の真砂を “お潮井” といい、あらゆる清めのお力があるそうです。
春分の日と秋分の日に最も近い
戊(つちのえ)の日に社日祭が行われ
地元の人だけではなく
遠方からの参拝客で賑わうそうです。

←こちらのお砂はすでに厄除開運の祈願が
されているので、
少し持ち帰り、ご自宅の敷地にお供えしても良いかも知れません。
平和の象徴、鳩が
日向ぼっこをしながら寛いでましたので、↓

写真に収めたくて、そ~っと近づいていきました。
もっとアップで撮影したいなと思い
ジワジワ距離を縮めていきますが……おや? 全然逃げないぞ?↓

撮影しているわたくしの足元を横切る鳩まで(笑)。
どうしてここの鳩たちは人間を警戒しないのでしょう??
その理由はどうやらこれのようです。↓

鳩のおやつ100円です(笑)。
昨今「鳩に餌をあげないでください」
という場所が多い中
こちらではおやつをあげてOKという大らかさ。
鳩たちの呑気な感じも伝わってきて
わたくしはこの状況にかなり癒されたのでした。
さすが勝利の神! 幾重にも守られた難攻不落のご拝殿
まだまだ気になるスポットはありますが
まずはご挨拶へ。
迫り出すような楼門を見上げます。↓

三間一戸入母屋造(さんけんいっこいりもやづくり)で

←檜皮葺(ひわだぶき)、
三手先組(みてさきぐみ)
といわれる枡組によって支えられた
83坪余りの雄大な屋根を有しています。
日本三大楼門の一つに数えられ、その力強い佇まいは圧巻です。
参考までに
日本三大楼門は筥崎宮の他に
熊本県 阿蘇神社↓

茨城県 鹿島神宮↓

となります。
こちらのブログでも紹介してますので
三大楼門をぜひ見比べてみてください。
さて、こちらの楼門の頭上には
敵国降伏の文字が刻まれた象徴的な扁額。↓

醍醐天皇が記された宸筆を、のちに元寇の際に
亀山上皇が謹写拡大したものと伝えられています。
楼門の奥に拝殿と本殿が鎮座しています。↓

御祭神は
応神天皇(おうじんてんのう)
またの名を八幡大神(はちまんおおがみ)、
応神天皇の母君である神功皇后(しんぐうこうごう)
海の神である玉依姫命(たまよりひめのみこと)です。
鎌倉中期の蒙古襲来の際には、
神風が吹き未曾有の困難に打ち勝ったということから
厄除・勝運の神としても広く親しまれております。
それらの御神徳を授かろうと
足利尊氏、大内義隆、小早川隆景、豊臣秀吉など
歴史に名だたる武将が参詣された記録もあります。
本殿・拝殿は回廊に囲まれており
直接近づくことはできません。↓

御祈祷や祭事期など、
特別な時のみ回廊の中に足を進めることができます。

←回廊は楼門や本殿・拝殿とともに
国の重要文化財に指定されています。
本殿を見守るように末社や歴史的建造物が囲む

←回廊に沿って歩いていきますと
本殿の後方に東末社と西末社が祀られています。
東末社です。↓

手前右手より
池島殿 手足の守り神
武内社 不老長寿、健康の神
乙子宮 子育ての神
住吉殿 海上交通の守り神
稲荷社 商売繁昌の神・田畑の守り神
西末社です。↓

手前左手より
民潤社 火除の守り神
嚴島殿 旅行安全の神
仲哀殿 八幡様の親神・家族の守り神
若宮殿 芸能文化の守り神
龍王社 海と空の守り神
西末社のすぐ近くにはあじさい苑があります。↓

わたくしが参拝した季節はオフシーズンでしたが
6月になるとおよそ100品種、3,500株の紫陽花が咲き
花好きには人気のスポットとなっています。
境内にはまだまだ見どころがたくさん。

←亀山上皇尊像を案内する看板が。
さっそく向かいましょう。

←こちらの中に亀山上皇の御尊像が収められているようです。
→想像していたよりも大きく大迫力です。
像の高さは約4.8メートル、総高は約6メートルにおよび、間近で見上げると圧倒されます。
こちらは福岡市東公園に立つ巨大な亀山上皇銅像の原型となった木彫像。
明治37年(1904年)に完成した銅像に対し、その魂とも言える「木彫の原型」を大切に保管・公開するためにこの奉安殿が建てられました。
福岡県出身の彫刻家・山崎朝雲の作品です。
(※拝観時間は9:00~16:00となります)

12本の柱で支えられた
四方吹き放ち(しほうふきはなし)の開放的な建物は
絵馬殿です。↓

素木の風合いを活かした、落ち着いた佇まいです。
頭上に掲げられた無数の絵馬を見上げると、
歴史ある空間であることに気づきます。↓

木製のベンチも置かれているので
見上げながら休憩するにはもってこいの場所です。

←絵馬殿のベンチに座りながらも視界に広がる
朱色の玉垣に囲まれたこの松は、
標(しるし)の松または筥松(はこまつ)と呼ばれる特別なご神木。
こちらはパワースポットの一つとして
地元の情報誌などにも紹介されています。
その昔、応神天皇が誕生された際、
へその緒などを箱に納めて、この清らかな岬に埋めました。その場所の目印として植えられたのが、この筥松です。
筥松のある岬(崎)ということから、
この地が筥崎と呼ばれるようになったと言い伝えられています。
ちなみに、「筥」という漢字は天皇ゆかりの特別な文字として敬われ
一般の人々は日常で箱の字を使うことで
この聖なる地と分かち合ってきたといいます。↓

文字一つにとっても
日本人の謙虚さ、奥ゆかしさを感じずにはいられませんね。

←玉垣には願いが込められた
たくさんの絵馬が奉納されていました。
→ 一際大きな絵馬にはたくさんのサインが。
筥崎宮は厄除・勝運の神として古くから信仰されてますので、地元のプロスポーツチーム
福岡ソフトバンクホークスやアビスパ福岡などが必勝祈願に訪れる場所でもあるのです。
ファンにはたまらないフォトスポットですね!

写真に写る屋根のある建物は授与所です。↓

お守りやお札、御朱印のおみくじのほかに
御祈祷の受付などもありました。
それにしても素晴らしい天気!
青空に長く太く流れる雲が
わたくしには巨大な龍雲の胴回りに見えました。↓


←時折、近距離で飛行機が通過します。
福岡空港は世界でも稀な街の真ん中にある空港で北側から着陸する際(滑走路16を使用する場合)飛行機は筥崎宮のほぼ真上を通って滑走路へと向かいます。
筥崎宮の上空を通過する際、
飛行機の高度は、
およそ250m〜300m前後です。
→飛行機の色まではっきりとわかる程です。
(※天候により航路や高度は変更することがあります)

人としての勝利とは? 禊の空間に身をゆだね真髄を悟る
とても過ごしやすい空間で
もう少しゆっくりしたいところですが、帰りの時間が迫ります。
名残惜しい気持ちで
何度も振り返りながら、境内を後にします。↓

地下鉄の駅に向かって歩いておりますと
行きの道中では気付かなかった大きな木が2本と鳥居が
遠く、直線距離の先に見えてきます。
道すがらの看板を改めて見てみますと
その場所はお潮井浜というところのようです。↓

少し距離はありましたが朱色の鳥居を目指して
歩いて向かってみることに。
国道3号線を横断し、目の前に
こんな景色が広がっていました。↓

この日は鉄のフェンスでふさがれ
中に入ることはできませんでしたが
お潮井取りの砂は、この先の海岸から頂くもののようです。
筥崎宮は広くて長い参道が続き
その先に楼門と本殿がそびえています。↓

突き抜ける空間に淀みがなく
禊の感覚を強く感じたのは、ダイレクトに向けられた
この海からの浄化の気だったのだと至極納得したのでした。
昔の武将たちは、まず身を削ぎ清め
四方を守った状態で、気のタイミングを見定め、勝ちを引き寄せる。
勝負の世界で生き残る者たちがこの地へ引き寄せられたのは
ごく自然なことだったのかもしれません。
勝負の神様、わたくしにもその機微が
今回の参拝で少し、備わったような気がします。
住所:福岡県福岡市東区箱崎1-22-1
アクセス:地下鉄箱崎線『箱崎宮前駅』1・4番出口より徒歩約5分


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