まぶしいほどの青に込められた浄化と躍進のパワー
お守りコレクションblog
第281回目は沖縄県那覇市泊(とまり)にある
天久宮の御守です。
初穂料500円(授与時)。

ハッと目を奪われる鮮やかな青地は
まるで那覇の晴天と透き通った海を転写しているかのよう。
この色合いだけで爽快なオーラを発していると感じます。
天久宮は龍神(水神)と深い結びつきがあり
澄んだ青は水そのものも象徴しているようです。
中心に金字で「御守」の2文字が青の中で引き立ちます。
大きさは縦7cm、横3.5cmと
女性でも手の中に収めやすいサイズです。
裏面です。

丸い形の神紋が空に浮かぶ天体を
象徴しているかのように存在感があります。
形からしておそらく月?
そこに太陽または星が描かれているようです。
宝珠の形にも見えるので
やはり陰陽の意味合いが含まれると推測します。
なぜ推測かと申しますと
1944年10月10日に、アメリカ海軍の機動部隊が
沖縄などの南西諸島全域に対して行った大規模な無差別大空襲
十・十空襲によって天久宮の社殿や古い古文書が
すべて焼失してしまったからです。
そのため神紋の由来は不明となっています。
神紋の下に天久宮と描かれています。
何て読むの? てんきゅうぐう? あまひさみや?
正解はあめくぐうです。
那覇の住宅街をMapで検索しながらたどり着く
ゆいレールを利用した場合
最寄り駅は美栄橋駅またはおもろまち駅となり
徒歩約20分と少々歩くことになります。
泊高橋バス停からですと徒歩約10分で到着しますので
公共交通機関を利用するならバスが良いかもしれません。
マンションなどが立ち並ぶ住宅街の迷路を歩いていくと
赤い鳥居が見えてきます。↓

扁額には天久宮と記されています。
ここで間違いありません。
「到着した~」と鳥居をくぐったものの
そこは駐車場……。
しばらく周辺をウロウロし
鳥居左横に入り口があることに気付きました。↓

「本当にここでいいのだろうか?」
そう思いながら階段を下っていきました。↓

とても珍しい3層構造の境内、まずは中層の境内へ
階段を下るとメインとなる境内へ入ることができました。
左手には泊高等学校のグラウンドが広がっています。↓

戦前、境内地は1163坪の広さを誇っていました。
十・十空襲で社殿が全焼したあと、戦後の混乱の中で境内地は一度
沖縄県(当時の琉球政府)の管理下になってしまいました。
1972年、沖縄本土復帰に伴い天久宮は宗教法人格を取得、本殿が建立されました。
その際、本来の境内地を取り戻すため原状回復申請を県に行います。
1975年、真正な登記名義の回復が認められ、
元の境内地の半分以下とはなりましたが、約500坪が返還されました。
戦前にあった本来の広大な敷地の半分以上は
現在の泊高校のグラウンドなどとして活用されています。
そんな理由から、こんな近い距離に隣接しているんですね。
こちらが天久宮の拝殿です。↓

琉球国由来記の資料によると
1465年~1487年頃に創祀(そうし)され
古くから厚い信仰を集めていたとたと伝えられています。
現在の社殿は1972年に再建されたもの。
琉球王府から特別な扱いを受けた琉球八社の一つです。
そして熊野権現の
伊弉冉尊 (いざなみのみこと)
速玉男尊 (はやたまをのみこと)
事解男尊 (ことさかをのみこと)
も祀られています。
拝殿よりも存在感があった権現堂。↓

権現堂とは簡単に説明すると神仏習合の思想にもとづき
仏教スタイルで神様にお祈りする場です。
境内に祀る同じ神様を、仏の視点からも
拝めるように住み分けられているのです。↓

天久宮ではその昔、洞窟で香を焚いた際に
「我は熊野権現なり、衆生の利益の為に現はれたり」
という神託があったとも伝えられています。
赤い鳥居が目を引く辨財天。↓

境内社ながらご鏡神も祀られており
左右にはしっかりシーサーが護っておられます。
拝殿の横に階段がありました。
登ってみましょう。↓

階段を上りきると、御嶽の場に出ました。
左側に車が見えますが、冒頭に出てきた駐車場です。↓

干支の午を司る龍神であられる
弁天負泰彦大神(べんてんよりひこおおかみ)。↓

ニライカナイや海・水の神様としての信仰を集める
泊龍宮神(はくりゅうぐうのかみ)。↓

の、二神が祀られています。↓

こちらの御嶽は3層の一番上となり、
展望もなかなかです。↓

右手の木々は異なる種類の木が寄り集まって茂っていました。
岩の上という過酷な環境から根を張れる場所を見つけ
成長してきた姿なのでしょう。↓

ここからですと拝殿の裏側に鎮座する
本殿も拝見することができます。↓

御嶽を下りている途中、岩と岩の隙間から光を感じました。
なんだろう?↓

空間がある……お賽銭箱も!? ↓

このときわたくしは、岩の中に潜む秘密の空間を
見つけてしまったと思い、とても胸躍りました。
どうやってあの場所へ行くことができるんだろう?
中層に位置する境内で
またしてもウロウロと入り口を探していると
ありました!

最初に利用した階段を、さらに下へ進めということです。↓


地下のような広い空間が。↓

右手を見ると……↓

拝殿がありました。
こちらは泊之ユイヤギ御嶽です。
天然の洞窟を祀った神聖な拝所です。↓

天久宮の最深部かつ信仰の土台となっているのが
この泊之ユイヤギ御嶽といえるでしょう。
先ほどわたくしは拝殿の左上の穴から
この御嶽を見ていたんですね。↓

地下の少し暗い空間に
隙間から漏れる光が神秘的です。↓

ご祭神は
沖縄の龍神信仰の原点とされる
天龍大御神(てんりゅうおおみかみ)。
父龍で天のエネルギーを司る最高峰の男神。
ご利益:国家安泰 事業繁栄 運気上昇
天久臣之姫大神(あめくしんのひめおおかみ)
母龍で大地と命を育む女神。
すべての万物を生み出した女神。
ご利益:安産 子孫繁栄 良縁
の、夫婦龍神です。
御嶽の要ともいえる場所から
天久宮全体にご神徳を浸透させていると思われます。
祭壇を正面に座る場所もありますので
何か願い事があるときは
ゆっくり時間をかけて滞在してみるのもいいかもしれませんね。↓

ユイヤギ御嶽のすぐ奥には三日月ウカー
と呼ばれる井戸が隣接しています。↓

豆知識として
駐車場に設置されている由緒案内板の
天龍大御神と天久臣之姫大神の下に
(先樋川)と書かれていました。↓

先樋川(サチヒージャー)とは
現在の那覇市上之屋付近に実在した湧き水の名称です。
天龍大御神と天久臣之姫大神は
先樋川に通ずる神であることがわかります。
沖縄の信仰において湧き水は神聖な生命の源であり
社殿が造られるより遥か昔から
地元の人々の信仰対象であったことが伺えます。
日陰で風通しも良い場所なので
心身を落ち着かせるには最適な場所です。
すぐ隣はグラウンドですが
ネットが張られているのでボールが
飛んでくることはありません、ご安心を。

お守り・御朱印が欲しい時は事前に連絡が無難
中層に戻り、授与所にてお守りを賜りました。
受付のご婦人に「どこから来たの」と尋ねられたので
「○○からです」と答えると
「あー、○○。あの辺は○○という地主さんがいて、あの有名な○○は子孫なのよ」
「そ、そうなんですか? 知りませんでした。でも、どうしてそんなに詳しいんですか」
「ふふふ、それはね……」と
なぜか、わたくしの地元の話題で盛り上がりました。
授与所をあとにしてから天久宮の詳細を伺うことを
失念していたことに気付きました……。
他情報によると
授与所は毎日開いているわけではない? ようです。
平日の午後に伺ったのに開いていたのは
運が良かったかもしれません。
お守りが欲しい方は事前に
授与所が開いているか確かめてから行く方が無難です。
龍神様と結びつきの強い天久宮。
住宅街にありながら水の気がとても強いので
きっと昔は今より海が近かったのではと思われます。
3層構造の境内造りも見逃せません。
変化していく時代の中で
変わらないでいてほしいものがまた一つ増えました。
住所:沖縄県那覇市泊3-19-3
アクセス:ゆいレール「美栄橋」駅またはおもろまち駅から徒歩約20分、沖縄バス「泊高橋」バス停から徒歩約10分
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