【那閉神社の大漁釣守】日本屈指の漁港の名に懸けて大漁祈願

静岡
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暗闇で光る蓄光タイプのおもしろお守り

第37回目は静岡県焼津市にある
那閉神社(なへじんじゃ)の「大漁釣守」です。
初穂料1000円(授与時)。※授与終了

大漁旗をパロディにした
大漁祈願お守りです。
漁業の町”らしさ”を感じますね。

漁に出た船が大漁だったとき、
港で待つ家族や仲間たちにいち早く知らせるために
使われたのが大漁旗。
だからこそ、
遠くからでも分かるようにと
派手なデザインになったといいます。

そして
「大漁=縁起が良い」という流れが生まれ、
新しい漁船を海へ浮かべる際の「進水式」にも
掲げられるようになりました。

この「大漁釣守」に描かれた魚は
タチウオです。
大波にも負けず生き生きと跳ねているようにも見えますが、
よく見ると、
口に針がかかっています。
ということは、
生き生きと躍動しているのではなく、
釣られて、暴れているということが分かります。

タチウオが釣れる時間帯は夜。
ゆえに、背景は黒。
それなのに、
朝日が描かれているのは、
やはり大漁旗を意識しているからでしょう。

ちなみに、
大漁旗で描かれるポピュラーな柄は
「波柄に魚と太陽」だそう。
(他にも、龍、鶴亀(長寿の象徴)、富士山、宝船、七福神などがあります)
今回のお守りはまさにこのとおり!

大漁旗もお守りも
「めでたさ」「開運」「願望」などを
重視している点において似ています。
従って、
このようなパロディが成立するのも頷けます。

さらに。
この「大漁釣守」は、
ただのお守りではないんです。↓

光るんです。
蓄光になっていて、
日光に当てておくと暗闇で光るような仕組みになっています。
夜に釣れるタチウオの性質を活かした楽しいアイディアです。

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柏紋は「代が途切れない」といわれる縁起物の社紋

裏面です。

社紋と神社名が刺繍され、
その背景にはタチウオのしっぽと大波が。
漁師の姿はありませんが、
おそらく荒れた波の中で暴れるタチウオと格闘しているのでしょう。
しかも巨大なタチウオと。
大きいものはドラゴンとも呼ばれているらしいですから、
よほどの力で釣り糸を引っ張っているに違いありません。

そんな想像を巡らせると、
漁業が盛んな町らしく
彼らの活躍を描いているともいえるわけです。

社紋は「丸に蔓柏(まるにつるかしわ)紋」。
「柏紋」の一種に「三つ柏紋」があり、
さらに枝分かれして「丸に蔓柏紋」があります。

柏の木は神道の儀式に深い関わりを持っていることから、
柏紋を使用する神社が多く、
神主や氏子などは、家紋として用いるケースもあったようです。
さらに、
柏の木は翌年に新芽が出るまで
古い葉が落ちない特徴から
「代が途切れない」ともいわれ、
縁起物として一般の人でも家紋に用いる動きが生まれました。

パッと見、
徳川家の「葵紋」とも似ていますが、
こちらはフタバアオイという植物を家紋としたもの。
京都にある加茂神社の社紋が由来となっています。
神官である加茂氏と三河の武士団が親しい間柄であったことから、
徳川家(前身である松平家も含めて)は、
葵紋を家紋に使用するようになりました。

とにもかくにも、
この「大漁釣守」は豪快で義侠心に富み、
それでいて、
賑やかで楽しい気持ちにさせる、
そんなお守りです。

那閉神社のお守り紹介はこちら

那閉神社とは以下のようなところです。

那閉神社 焼津 大漁釣り守
焼津市に鎮座する神社です。式内社であり、御祭神は大国主、事代主。 昔から大漁祈願など地元の漁師や氏子に崇敬されています。 大漁釣り守などお守りの授与や御祈祷も随時受け付けております。
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大国主大神と事代主大神が大黒天と恵比寿神になってお祀り

那閉神社は509年(継体天皇3年)、
物部氏の勧請により、
焼津の当目山(とうもくさん)に鎮座。
その後、一度海中神の岩に移ったものの、
風浪の害を避けて現在地に奉遷されました。

海の彼方から訪れる神を、当目山にお迎えするという信仰から、
その昔は社殿もなく、山そのものが御本殿(御神座)であったと伝えられています。

また、
当目山は虚空蔵山(こくぞうさん)とも呼ばれることから
那閉神社は「虚空蔵さん」という愛称を持っています。

御祭神は二神で、
大国主大神(おおくにのぬしのおおかみ)↓

と、
事代主大神(ことしろぬしのおおかみ)。↓

二神とも七福神に見立てられています。

米俵の上に乗っているほうが大国主大神です。
頭巾をかぶり、右手に小槌、
左手では背負った大きな袋の口を握っています。
「大国」が「大黒」に通ずることから、
福徳の神である大黒天と同一と見なされることがあります。

事代主大神のほうは
狩衣・指貫に風折烏帽子を着け、
右手に釣ざお(那閉神社の像では持っていません)、
左手に鯛を抱えています(鯛のお頭を抱えています)。
こちらの神は恵比寿神と同一視されることが多く、
海運守護、商売繁昌の神として崇められています。
焼津にピッタリですね。

このようなユーモアのある形で
祀られていると、
気持ちがほっこりとして、親しみやすさを感じます。

ちなみに、
那閉神社には立て続けに鳥居が3基建っています。↓

なぜこのような形になっているのかは
不明なのですが、
珍しいので載せました。

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那閉神社が鎮座する焼津はマグロの水揚げ量日本一

那閉神社は緩やかな坂道の途中にあります。
坂道の先にあるのは海です。
太平洋です。↓

岸壁とその上の生い茂った緑に自然の険しさを感じます。
向こうには海が広がり、
まさに絶景!

那閉神社から離れて、
焼津駅のほうへと向かうと漁港があります。↓

焼津港は全国に13ある特定第3種漁港の一つともなっています。

2020年の統計によると、
水揚げ額は412億円り、
全国の主要漁港の中で5年連続で最高だったといいます。
特に、マグロの水揚げ量の約3分1が焼津漁港であり、
マグロの水揚げ量では日本一とのこと。
実はすごい町なんですね!

焼津は静かな港町という雰囲気。↓

時間がゆっくりと流れている感覚。
町全体が癒しを与えてくれる雰囲気。
そんな中にしっぽりと佇んでいるのが那閉神社です。

今回紹介した「大漁釣守」は販売終了しましたが、
大漁旗をモチーフにしたお守りはまだまだあります。
一風変わったお守りをいただくために
ぜひとも焼津へ!

住所:静岡県焼津市浜当目3-12-13
アクセス:JR焼津駅より徒歩約25分
https://nahe-shrine.jimdofree.com/

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