和テイストな大根の絵柄が激シブ
第9回目は東京都台東区浅草にある
待乳山聖天(まつちやましょうでん)の
大根お守りです。
お守り代500円(授与時)。
![](https://omamori-collection.com/wp-content/uploads/2023/04/IMG_8137-2-1024x884.jpg)
小ぶりな巾着袋に、
クロスした2本の大根が描かれています。
巾着と大根は、
信じる心を持って祈願することで得られるご利益を
端的に表現したものなのだそう。
巾着は財宝であり商売繁盛を表しています。
大根は体を丈夫にし、良縁を成就させ、
夫婦が末永く仲良く過ごすためのご加護をいただける
功徳を表しているとのこと。
それならば、
夫婦和合お守り
といえるかもしれませんね。
お守りの色構成は、
地色のオレンジ、大根の白、
葉っぱの緑という3色。
色だけ見るならポップといえますが、
和テイストな大根の絵柄を見ると、
大人っぽい妙味なお守りといえる
のではないかと思います。
しかも、
大根にはグラデーションが入って、
さらに渋みが効いています。
ところが!
お守りのクロスする大根の絵柄は、
実際に待乳山聖天へ行くとこうなっています。↓
![](https://omamori-collection.com/wp-content/uploads/2022/01/IMG_6431a-1024x643.jpg)
確認できますでしょうか。
写真中央の2本の大根が。
足を絡め合っているようにも見えます。
お守りの絵柄とは別もの!
まるで春画のごとく!
違う意味で大人!
子孫繁栄を意味しているといわれています。
冗談のような、
遊び心があるような、
エッジが効いているような。
昔の人はおもしろです!
ここは、そもそも待乳山ですからね。
今だったら、
「コンプライアンスが!」なんて言われそう。。
オレンジの地色+金色の文字はデザイン的に秀逸
裏面です。
![](https://omamori-collection.com/wp-content/uploads/2022/01/IMG_8139a-1024x688.jpg)
梅干しのようなルックスです。
手のひらサイズなので、
携帯するには何ら邪魔にはなりません。
カバンにぶら下げてもかわいいです。
金色の文字で浅草 待乳山聖天と
書かれています。
オレンジの背景に
金色の文字という組み合わせ。
同系色であるため、
文字が同化しそうになっていますが、
これがもし黒や青だったら、
文字が変に目立って、
それこそバランスが悪く、
おかしいことになっていたかもしれません。
そう考えると、
オレンジ地と金色の文字という組み合わせで
良かったのかとも思います。
文字の左右にうっすらと
模様が入っています。
手まり柄のようでもあり、
大根の輪切りに切れ目を入れたようでもあり。
これは待乳山聖天の寺紋です。
待乳山聖天とは以下のようなところです。
聖天とは歓喜天。歓喜天とはガネーシャ
![](https://omamori-collection.com/wp-content/uploads/2022/01/IMG_6430-1024x768.jpg)
595年(推古天皇3年)、
地中から待乳山が突然現れ、
そのときに金龍が天から降りて、
山を廻り守護したという言い伝えが残っています。
これが本龍院の名前の由来となっているそうです。
待乳山聖天があるこの周辺は
隅田川沿いで土地が低く、
海抜0メートル地帯なんて呼ばれている地域です。
そんなところで唐突に土地が隆起して、
丘(標高約10m)を形成しているのは異質。
昔の人は、そこに神仏の存在を信じ、
信仰していたのも頷けます。
595年から6年後の夏、
この地方が大干ばつに見舞われたとき、
十一面観世音菩薩が悲愍(ひびん)の眼を開き、
大聖歓喜天(だいしょうかんぎてん)の
姿となってこの山に降臨し、
苦しむ民を救ったということです。
聖天様が待乳山に鎮座された起源で
あるともいわれています。
聖天は歓喜天(かんぎてん)ともいいます。
象頭人身(ぞうずにんじん)です。
御神像は単身と双身があり、
単身はこのようなお姿をしています。↘
![](https://omamori-collection.com/wp-content/uploads/2022/01/hindu_ganesa_ganesya.png)
「お!」と思った人もいるかもしれません。
ヒンドゥー教のガネーシャ(ガナパチ神)です。
『夢を叶えるゾウ』という本においての主人公で、
日本でも有名な神様であります。
しかし、
仏教においては双身で表現され、
男女二神が抱き合っている姿をしています。
↓を見てください。
抱き合った二神のうちの男神がガネーシャ。
ガネーシャはヒンドゥー教のシヴァ(破壊と再生の神)の長子で、
インドの神話では魔神とされています。
女神は仏教の十一面観音の化身。
十一面観音は魔神の動きを封じるために女神となり、
仏教の道へと導きます。
世が尽きるまで仏法を守護すること、
修行者達を守ること、
民集に対して悪事を働かないことなどの
約束を取り付けたうえで
抱き合ったとの物語が伝えられています。
そうして、
歓喜天は人間の障害(病気や難)を除いて
富裕に導く神に転じたということです。
さらに、
その姿から、
男女の和合、子授けにもご利益があるといわれています。
待乳山聖天は仏教のお寺でありますから、
祀られているのは双身のほうです。
しかし!
そんな立派なご利益を持つ神様であるにも関わらず、
聖天様は秘仏となっています。
見ることができません。
なぜなら、
そのパワーが凄すぎるからなのだそうです。
どのくらい凄いかというと、
豊臣秀吉、徳川家康、松下幸之助などが
熱心に信仰していたと
いわれるほど。
家康に限っては、ご利益を独占するために
恐ろしい神様だと吹聴していたといういう噂があるくらいです。
お供え物は大根! さらに境内のいたるところに大根が!
お寺や神社を参拝する際、
普通だったらお賽銭を入れます。
ところが、
待乳山聖天は大根をお供えする
というやり方もあるんです。
![](https://omamori-collection.com/wp-content/uploads/2022/01/IMG_6429a.jpeg)
「おもしろい! なら、大根を買っていかなくちゃ!!」
と思うかもしれませんが、
お金と引き換える場所がちゃんとあるので、
事前に用意していかなくても大丈夫です。
また、
待乳山聖天は大根がシンボルということで、
あちらこちら大根づくし。
天水受けに大根が描かれています。↓
![](https://omamori-collection.com/wp-content/uploads/2022/01/IMG_6432-768x1024.jpg)
石段にも大根が刻まれています。↓
![](https://omamori-collection.com/wp-content/uploads/2022/01/22715585_s.jpg)
提灯も大根です。↘
![](https://omamori-collection.com/wp-content/uploads/2022/01/2215353_s.jpg)
賽銭箱は……、巾着袋でした。↓
巾着は財宝を表すもの。お賽銭はお金ですから。
ちなみに巾着袋もシンボルとなっています。
![](https://omamori-collection.com/wp-content/uploads/2022/01/IMG_6431b.jpg)
秘めたるパワーがあるといわれる待乳山聖天。
かわいい巾着型の大根お守りを
ぜひいただいてください。
浅草といえば、浅草寺が有名ですが、
浅草寺の支院であるこちらもいかがでしょうか。
穴場スポットです!
支院とは、子院、枝院、寺中、寺内、脇寺ともいい、
同一境内にあって、本寺に付属する小寺のこと。
実際訪れると、
待乳山聖天はそんなに小さいお寺ではありません。
同一境内といっても、
歩いて10分ほど離れているので、
別のお寺という印象です。
浅草名所七福神には待乳山聖天も入っています。
浅草寺(大黒天)
浅草神社(恵比須神)
待乳山聖天(毘沙門天)
今戸神社(福禄寿)
不動院(布袋尊)
石浜神社(寿老神)
鷲神社(寿老人)
吉原神社(弁財天)
矢先稲荷神社(福禄寿)
七福神といいながら九社寺あります。
「九は数のきわみ、一は変じて七、七変じて九と為す。
九は鳩でありあつまる意味をもち、
また、天地の至数、易では陽を表す」
という古事に由来したことによります。
今戸神社と鷲神社は下町八社にも加わっています。
住所:東京都台東区浅草7-4-1
アクセス:東京メトロ銀座線浅草駅、
都営浅草線浅草駅、
東武スカイツリー線浅草駅より徒歩約10分
http://www.matsuchiyama.jp/index.html
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