鳳凰は縁結びへと導く伝説の霊鳥でもある
第126回目は島根県松江市にある
八重垣神社の「縁結び御守」です。
初穂料500円(授与時)。
八重垣神社といえば
縁結びの神社として有名です。
なので
お守りもやっぱり縁結び。
生地の色みは緑色というよりかはオリーブ。
お守りとしては
なかなか見かけない色で
新鮮だなと思います。
そんな中に
鳳凰が描かれております。
鳳凰は目を引くような美しい霊鳥。
お守りに採用すると
派手なほうへと傾きそうですが、
それをオリーブ色が
上手に緩和させているような気がします。
つまりは
「目に優しい」ということであります。
そもそも
縁結びのお守りになぜ鳳凰が?
鳳凰は瑞兆(ずいちょう)を表す幻の鳥。
運気、エネルギー上昇、平穏などをもたらし、
恋愛においては
運気を上げて成就する、
縁談がうまくいく、
良い出会いを運んでくると
いわれています。
鳳凰は縁結びの鳥でもあるというわけです。
描かれた鳳凰は金色。
羽や尾の一部に橙色が混じっています。
これはもう火の鳥ですね。不死鳥、フェニックス。
不死鳥と解釈するのなら
「縁結び」は健康との縁結びかもしれません。
健康を司るお守りは
緑系が多いので
そういった意味でも辻褄が合いそうです。
とはいえ、
八重垣神社は
恋愛における縁結びの神様で有名ですから、
今回の「縁結び御守」は
良縁を願うものであることは間違いありません。
植物のつるには子孫繁栄の意味合いも
裏面です。
八重垣神社という文字が
力強く書かれています。
おもて面のかわいい書体の
「縁結び」とはまったく違います。
文字を囲むように植物のつるが描かれています。
つるといえば、
繁茂(はんも)力が強く、
絡み合いながらどんどん成長していくことから
隆盛繁栄、子孫繁栄のシンボルとして、
さらには
その生命力の強さから
長寿を意味するものとしても使用されます。
縁結びが叶ったら
子孫繁栄へと繋がっていくことを考えてみても
理にかなった柄だろうと思います。
つるの色は
鳳凰と同じく、金色と橙色。
「縁結び」のお守りといえば
ピンクや赤を使用した
チャーミングなものが多いのですが、
(八重垣神社には赤バージョンもあります)
このようなオリーブ色の大人っぽいタイプは
腰が据わっていてカッコイイですね。
というか、オシャレです。
デザインでお守りを選びたいという方にオススメです。
八重垣神社のお守り紹介はこちら
八重垣神社とは以下のようなところです。
御祭神は八岐大蛇伝説で出会った素戔嗚尊と稲田姫命
八重垣神社はJR松江駅よりバスで約20分。
「八重垣神社」バス停で下車すれば到着です。
降りたら、すぐ目の前に鳥居があります。↓
笠木(屋根に当たる部分)のラインが美しい。
シンプルながらカッコイイ木製の鳥居です。
扁額の「八重垣神社」の文字が細字です。↓
太くて力強く書かれることが多い神社名ですが、
女性のようなしなやかな文字は珍しい。
鳥居をくぐると随神門があります。
随神門の向こうに拝殿が見えますね。
この写真、個人的に好きです。↓
随神門を抜けると拝殿です。↓
御祭神は素戔嗚尊(すさのおのみこと)と稲田姫命(いなだひめのみこと)。
素戔嗚尊は天照大神の弟神。
稲田姫命は櫛名田比売(くしなだひめ)とも記されます。
この二神は夫婦です。
八岐大蛇(やまたのおろち)伝説で有名ですよね。
以下のようなお話です。
高天原から出雲国の肥の川(斐伊川)の上流に降り立った素盞鳴尊は、
嘆き悲しんでいる老夫婦に出会います。
この老夫婦は脚摩乳(あしなづち)と手摩乳(てなづち)という神様で、
8人の娘がいましたが、毎年現れる大蛇に次々と娘を食べられ、
今年ついに末娘である稲田姫命の番となってしまいました。
そこで素盞鳴尊は、
稲田姫命との結婚を条件に大蛇退治を請け負います。
この大蛇こそが八岐大蛇(やまたのおろち)です。
素盞鳴尊は佐草にある「佐久佐女の森(さくさめのもり)」の
大杉を中心にして、
その周囲に八重垣を造り、
稲田姫命の身を隠しました。
そして強い酒が入った8つの桶を
脚摩乳と手摩乳に頼んで用意してもらいます。
この酒が罠とも知らずに
八岐大蛇は8つの頭をそれぞれの桶に
突っ込んで酒をあおり、
酔っぱらって眠ってしまいました。
素盞鳴尊はすかさず剣を抜き、
八岐大蛇を切り裂いて退治に成功します。
そうして素盞鳴尊と稲田姫命はめでたく夫婦となりました。
遠い遠い昔のお話なのに
まったく古さを感じない。
設定を変えれば
現代にも通ずるストーリーだと思います。
話は変わりまして。
八重垣神社にある狛犬は
見るからに古いもの。
どれくらい昔のものか
知りたいのですが、
残念ながら製作年代が不明となっています。↓
この地方に伝わる「出雲構え型」とも
異なる容姿で、
来待石を使った狛犬といわれています。
社殿の右奥には境内社の
伊勢宮(右)と脚摩乳神社(左)があります。↓
日本の総氏神である天照大神が
祀られている伊勢宮は
新しく建て替えられピカピカ。
脚摩乳神社は稲田姫命の父親神である
脚摩乳(あしなづち)が祀られているお社。
合わせて
佐草字客山に鎮座していた八幡宮の譽田別命も
祀られています。
社殿の左奥には境内社の
手摩乳神社(右)と貴布禰(きふね)神社(左)があります。↓
手摩乳神社には稲田姫命の母親神である
手摩乳(てなづち)が祀られています。
貴布禰神社には
水に関する神様の高龗神(たかおかみのかみ)が
祀られています。
合わせて
佐草字客ノ尾に鎮座していた
稲荷神社の倉稲魂命も祀られています。
奥の院は八岐大蛇伝説において稲田姫命が避難した場所とも
伝説に登場する稲田姫命が非難した「佐久佐女の森」が
八重垣神社の始まりであるといわれています。
「佐久佐女の森」は「奥の院」とも呼ばれ、
拝殿の左側にある参道からいったん境内を出て、
道路を渡るとあります。↓
ちなみに「八重垣」とは、
稲田姫命を守った8つの垣根のことで、
大垣、中垣、万垣、西垣、万定垣、北垣、袖垣、秘弥垣と呼ばれ、
今も一部地名などに残っています。
注連柱(ちゅうれんばしら)をくぐると
奥へと進む道があります。↓
この道は風の通り道にもなっていて、
涼しくて心地いい風が吹いていました。
ずっと奥に入っていきますと
「鏡の池」があります。↓
稲田姫命が八重垣に隠れているときに
飲料水とし利用し、
さらには容姿を映した池と伝えられています。
こちらの池はご縁の遅速を
占う池としても有名です。
池の奥には稲田姫命をお祀りする
天鏡神社が鎮座しています。↓
小さいお社ですが、
すごく存在感を放っていました。
素戔嗚尊が詠んだ日本最古の和歌の歌碑がある
境内に戻りまして。
素盞嗚尊が詠んだ俳句の歌碑があります。↓
「八雲立つ 出雲八重垣 妻込みに 八重垣作る その八重垣を」
と書かれてあります。
こちらは日本最古の和歌といわれています。
「涌き出る雲に縁のある出雲で
数多くの雲が立ち上り、
雲が幾重にも立つように
新居の垣を作っている。
妻を籠らせるために作った宮の周りに、
まるで垣を作るように、
めぐらした立派な垣よ」
という内容になるそうです。
八岐大蛇を退治し
つがいになった素戔嗚尊と稲田姫命。
新しい住まいを探す中、
須賀(すが)という場所に辿り着き、
家を建てたときに詠んだ歌なのだそう。
この歌碑は2005年(平成17年)3月に
遷宮記念として建立されました。
最後に
バス停の前まで戻ります。
通りを渡ったところに
連理玉椿(夫婦椿)という木があります。↓
ここも有名です。
稲田姫命がその昔、
お立てになった二本の椿が芽吹き出し、
地上で一体となったそうです。
夫婦の契りの象徴として神聖視される
ようになりました。
椿のまわりには囲いがあるため
触ることはできません。。
縁結びの神様として名高い八重垣神社。
カップル歓迎。
恋人募集中の人も歓迎。
バツがついている人も歓迎。
八重垣神社が気になっている人も歓迎。
ぜひ足を運んでみてくださいね。
縁結びのお守りもお忘れなく!
住所:島根県松江市佐草町227
アクセス:JR松江駅4番乗り場より約20分
https://yaegakijinja.or.jp/
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