【江島神社奉安堂の弁財天守】芸事、豊穣、縁結びまで幅広い

神奈川
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描かれているのは妙音弁財天

第22回目は神奈川県藤沢市江の島にある
江島神社奉安殿弁財天守です。
初穂料800円(授与時)。
※こちらのお守りは授与終了となっています。

お守に描かれている弦楽器を奏でる女神。
この方は妙音弁財天(みょうおんべんざいてん)です。
「妙音」とは優れた音楽を意味し、
このことから技芸上達(芸能・音楽などの芸事)
神様といわれるようになりました。

羽衣のカラー、江島神社の社紋はともに金色で、
イラストチックな妙音弁財天の姿を
高尚に昇華させているといえるのではないでしょうか。
お守りを動かすと、金糸に反射する光も動いて、
キラキラ感が増します。
どのように輝くのか、
暗い場所で光を当てて撮影しました。↓

分かりますでしょうか。
羽衣が光ることによって、立体感が生まれたようにも感じられます。

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弁財天の由来はヒンドゥー教の女神サスラヴァティ

裏面です。

薄黄色の地に金色で「江島辨財天」の文字。
「弁」が旧漢字の「辨」になっているところに
日本三大弁財天の威光を感じます。

日本三大弁財天とは厳島弁財天(広島)、竹生島弁財天(滋賀)、
江の島弁財天(神奈川)です。

もともと弁財天は、
ヒンドゥー教の女神サスラヴァティ
仏教に取り入れられたのが由来。
ヴィーナという琵琶に似た弦楽器を持っているのが特徴です。

サスラヴァティは「川を神格化した神様」と呼ばれています。
過去に実在したサラスヴァティ川の化身とされ、
川のせせらぎから「流れるもの」を連想する
音楽や言葉などの才能をもたらす神とされました。

日本においては、
川の流れる音にちなんで妙音天
また、
よどみなく流れる水のように弁舌が美しい
との連想から「弁才天」と訳されました。

それだけにとどまらず、
川の神様というところから派生して、
水は農耕に非常に重要な存在で、
豊作をもたらすということから、
豊穣の女神として祀られるようになります。

さらに、
日本における水の神である
市杵島姫命(いちきしまひめ)と同一視されるようになります。
こちらは縁結びの神様として知られていることから、
弁財天も縁結びというご利益も持つようになったと考えられます。

それだけにとどまらず、
弁財天は才能をもたらすという意味で「弁才天」でしたが、
のちに財をもたらす福神として信仰される宇賀神と習合することで、
財福の神ともなり、「弁才天」が「弁財天」となり、
江戸時代にはこちらのほうが定着していました。

こうして弁財天は
芸事、豊穣、縁結び、財運など
様々なご利益のある神様となったのです。

江島神社のお守り紹介はこちら

江島神社奉安殿は以下のようなところです。

【公式】日本三大弁財天・江島神社
日本三大弁財天を奉る江島神社は、田寸津比賣命を祀る「辺津宮」、 市寸島比賣命を祀る「中津宮」、多紀理比賣命を祀る「 奥津宮」の 三社からなる御社です。
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赤い八角堂の中に2体の弁天様が祀られている

奉納された方々の赤いのぼり旗が強烈なインパクトです。
たくさんありすぎて、本堂よりも目立っています。

1970年(昭和45年)に、
国の重要文化財である「八臂弁財天(はっぴべんざいてん)」御尊像と、
裸弁財天として知られる「妙音弁財天」御尊像を祀るため、
江島神社(辺津宮)の隣に、
八角のお堂であるこの奉安殿を建造しました。

八臂弁財天御尊像は、
鎌倉時代初期の作。座像。像高一尺九寸(約57.5cm)。国指定重要文化財。
源頼朝が鎌倉に幕府を開くとき、奥州の藤原秀衡調伏祈願のため、
文覚上人に命じて造らせました。

八臂弁財天は、弁財天が日本にもたらされたときの姿ともいわれています。
一面八臂といい、一つの顔に8つの手を持ち、手には様々な武器を持っています。
江戸時代に入ると、八臂弁財天は勝運守護の神様として
武家から庶民にいたるまで広く信仰を集めました。

妙音弁財天御尊像は、
鎌倉時代中期以降の作。座像。像高一尺八寸(約54.5cm)。市指定重要文化財。
「裸弁財天」ともいわれ、琵琶を抱えた全裸体の座像です。
女性の象徴をすべて備えた大変珍しい姿で、傑作とされています。
音楽芸能の上達を願う多くの人々から信仰を集めています。

写真撮影不可のため
奉安殿の詳細はこちらを。

奉安殿の中には、弁財天像のほかにも、
天女に仕えたという十五童子像後宇多天皇の勅額弁財天像扁額
弘法大師の手形が押された護摩修法による弁財天像などが置かれ、
拝観できるようになっています。

拝観時間:午前8時30分~午後4時30分
拝 観 料:大人200円 中高生:100円 小学生:50円 小学生未満:無料(25名~団体割引)

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湘南のシンボル江の島はいつ行っても気持ちいい

晴れていれば申し分ないのですが、少しくらい曇っていても
江の島を見るとなぜかテンションが上がります。↓

サーフィンが似合うのが湘南です。

江の島弁天橋を渡り、島へ入って、正面の生い茂った森を見ると、
中に埋まっているかのような瑞心門(ずいしんもん)が見えます。↓

手前の青銅の鳥居をくぐれば、参道の始まりです。両サイドにはお店がたくさん。

江島神社の朱の鳥居前です。↓

鳥居の左側に、「江島神社」と書かれた立て看板があります。
琵琶がモチーフになっているのは、
弁財天が江島神社の象徴となっている証拠でもあります。
その先に見えるのが瑞心門。龍宮城を模したという楼門です。

瑞心門を過ぎると「弁財天童子石像」があります。↓

十五童子を従えた弁財天の姿。
江島神社ご鎮座1450年を記念して奉献されました。

たくさんの階段を上った先に辺津宮があります。↓

山を登るようなイメージの江の島の神域内。
その一番下に位置していることから「下之宮」とも呼ばれています。
「下」ということは、まだまだ上があるということです。 

立派な拝殿の辺津宮です。↓

1206年(建永元年)、鎌倉幕府三代将軍の源実朝が創建
左側に少し写っているところでお守りを拝受いたしました。

辺津宮を左へ曲がってすぐのところに、
弁財天が祀られている奉安堂があります。↓

紅色で彩られたお堂。
素通りできないほどの存在感を放っています。
隣の辺津宮が厳かな侍なのに対し、
こちらは華やかな貴婦人のよう。ここだけ別世界。
彫刻の細かさも目を引きます。

ここから見下ろす風景に感動!
江の島は若者たちのデートスポットにもなっていながら、
実のところ、非常に和テイストです。↓

江の島弁天橋からここまで、道がずっとつながっているのが分かります。

今回は、江島弁財天のお守りの紹介ということで、
この先の、さらに登ったところにある中津宮奥津宮はまた今度。

辺津宮、中津宮、奥津宮を揃って紹介しているのは
江島神社の「龍神守」の回です。↓

【江島神社の龍神守】江の島の龍神様に護られて強運をいただく
目をキラキラさせながら夜の空を飛び回る龍神様 第66回目は神奈川県藤沢市にある江島神社の「龍神守」です。初穂料800円(授与時)。 第22回で江島神社奉安堂の「弁財天守」のお守りを紹介しています。22回目の続きというわけではありませんが、今...

江の島は周辺を含めて、1日楽しめるスポット。
お出かけの際は、江島神社へ立ち寄ってお守りをいただいてください。
できれば、奉安殿へ入って弁財天をこの目で見てください。

住所:神奈川県藤沢市江の島2-3-8
アクセス:小田急線片瀬江ノ島駅、江ノ島電鉄江ノ島駅、湘南モノレール湘南江の島駅から
     徒歩約15分~23分
http://enoshimajinja.or.jp/

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