描かれた将棋はしっかり詰んでいる
第21回目は東京都渋谷区千駄ヶ谷にある
鳩森八幡神社の「黄金の王手守」です。
初穂料1000円(授与時)。
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鳩森八幡神社といえば、近くに将棋会館があり、
多くの将棋棋士たちが参拝に訪れるということで有名です。
ここに、将棋をモチーフにしたお守りがあります。
「黄金の王手守」。
勝負お守り、または勝ち守です。
ゴールドの生地に将棋盤がデザインされ、
成金が王手をかけているシーンが描かれています。
紐は地色のゴールドと親和性の高い黄土色。
将棋盤の印象を後押しするような色味です。
しめ縄のように編み込まれた太い紐なので、
お守りに重厚感を与えるにはピッタリ。
王者だけが持つことを許される
威風堂々感を演出しているようにも感じます。
さて、
お守りに描かれた対局。
これは果たして詰んでいるのでしょうか?
はい、しっかり詰んでます!
成金をどちらかの銀で取ったとして、
その銀と対峙していた歩が
一歩前に進んで成金になれば、
王将の逃げ場がなくなりジ・エンドです。
ちなみに、お守りに描かれた成金。
唐突な感じもしますが、どこからやってきたのでしょう?
左右どちらかの歩の後ろにあった桂馬が成った駒だと推測されます。
この詰んだ状態は、
将棋好きの方から教えてもらい、
納得しました。
頭の体操にもなるお守り、
なんと画期的なのでしょう!
試合、受験、恋愛、ビジネスに通ずる勝守り
裏面です。
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引き続き将棋盤のデザインを踏襲しつつ、
神社の名前にもなっている鳩の羽が描かれています。
白い鳩です。なぜ白い鳩かというと、
鳩森八幡神社の創建由来にもなっていて、
それはのちほど記載いたします。
真ん中には「鳩森八幡神社」の文字。
黒文字に金の縁取りというデザインによって、
神社名が羽に溶け込むことなく、
ちゃんとアピールしています。
お守りを触ってみると、生地の固さを感じます。
良い生地を使ってそうで、
勝負ごとに勝てそうな気がしてきます。
このお守りは、授与される際に木箱に納められています。↓
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直に触ることがはばかれる、高尚な雰囲気。
中心には「祈願 勝」と金色の文字で書かれています。
将棋のみならず、
試合、受験、恋愛、ビジネスなど、
勝敗がついてしまうような物事について、
勝つことを祈願されたお守りといえるのではないでしょうか。
将棋ファンならずとも、ほしくなるお守りです。
鳩森八幡神社のお守り紹介はこちら
鳩森八幡神社は以下のようなところです。
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昔の姿を復元した総欅造りの社殿
![](https://omamori-collection.com/wp-content/uploads/2022/02/IMG_6534-768x1024.jpg)
「鳩森八幡神社」の創建は神亀年間(724年~729年)。
そのきっかけは、『江戸名所図会』によると、
大昔、この地の林の中に
めでたいことが起こる前兆である
瑞雲(ずいうん=紫色や五色の珍しい雲)が
たびたび現れたといいます。
ある日、青空から白雲が降りてきたので、
不思議に思った村人が林の中に入っていくと、
突然、たくさんの白い鳩が西に向かって飛び去りました。
この霊瑞(れいずい=不思議なめでたいしるし)によって、
神様が宿る小さな祠(ほこら)を造り、
鳩森『はとのもり』と名付けた、とのことです。
お守りの白い鳩の羽はこのお話に由来しています。
860年(貞観2年)、
円仁(慈覚大師)が村民の懇請によって
神功皇后と応神天皇の像を造り、
八幡宮として奉ったことも伝えられています。
1845年(弘化2年)、欅造りの荘厳な社殿が造られました。
しかし、1945年(昭和20年)の戦災により消失してしまいます。
1948年(昭和23年)から数度の復興事業を重ね、
1981年(昭和56年)に完成。
1990年(平成2年)には御大典を記念して、
昔日の姿に復元すべく建設工事を行い、
1993年(平成5年)に竣工しました(51.8坪の総欅造り)。
そして、
鳩森八幡神社は今なお千駄ヶ谷一帯の総鎮守として、
周辺住民の方々の尊崇を受けています。
神功皇后(じんぐうこうごう)は、古事記、日本書紀に登場する伝承上の人物。
14代天皇仲哀天皇の皇后。15代天皇応神天皇の母。
気長足姫尊(おきながたらしひめのみこと/息長足姫命)ともいう。
夫である仲哀天皇の急死後、妊娠中でありながら武内宿禰(たけうちのすくね)とともに、
朝鮮半島に出陣して新羅を討ち、百済、高句麗も帰服させ、
帰国後に応神天皇を産んだとされています。
また日本書紀では、邪馬台国の女王・卑弥呼が神功皇后かのように書かれています。
応神天皇は第15代天皇。生没年不詳。仲哀天皇の第四皇子。母は神功皇后。
古事記では品陀和気(ほんだわけ)、日本書紀では誉田別と記されています。
神功皇后が三韓征伐(新羅、百済、高句麗)に出征した際に、
胎内にいたことから胎中天皇とも呼ばれます。
応神天皇の時代に大和朝廷の勢力が飛躍的に発展。
41年間の治世において百済からの帰化人を受け入れ、中国の文化を積極的に導入。
日本文化の基盤を築いたともいわれています。
「宇佐八幡宮弥勒寺建立縁起」(884年)には、
八幡神は品田天皇御霊であるとの記述があり、
この頃にはすでに応神天皇が八幡大神であったとされています。
※応神天皇は他にも名前がありました。豆知識の「は行」をご覧ください。
富士塚は都内最古のもの
鳩森八幡神社の見どころの一つは富士塚です。↓
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都内最古の富士塚で千駄ヶ谷富士とも呼ばれています。
江戸七富士にも数えられています。
1789年(寛政元年)の築造といわれ、
円墳形に土を盛り上げ、
頂上近くの部分には、実際の富士山の溶岩が使われています。
登山道は自然岩を用いた階段となっており、
山腹にはクマザサが植えられています。
山裾に建てられた御影石の里宮(浅間社)をはじめ、
7合目には身祿様が安置されている洞窟、烏帽子岩、釈迦の割れ石、
山頂にはボク石で覆われている奥宮など、
実際の富士山を再現しています。
富士山のミニチュア版なので、階段は狭いです。
しかし、
入口と出口が別になっているため、
登る人と降りる人がすれ違うことはありません。
江戸七富士
下谷坂本富士(小野照崎神社/台東区)
江古田富士(茅原浅間神社/練馬区)
高松富士(高松富士浅間神社/豊島区)※豊島長崎の富士塚とも
音羽富士(護国寺/文京区)
千駄ヶ谷富士(鳩森八幡神社/渋谷区)
品川富士(品川神社/品川区)
十条富士(十条冨士神社/北区)※都市計画道路整備のため一時崩され、再整備される予定
未来の藤井聡太さんを目指して将棋堂で祈願
もう一つの見どころが将棋堂です。↓
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将棋の技術向上を目指す人々の守護神です。
扉の中に高さ約1.2mの王将が納められています。
将棋堂は1986年(昭和61年)1月に、
日本将棋連盟より大駒の王将が奉納され、
同年11月に、日本将棋連盟と鳩森八幡神社の協力によって
それを納める六角堂が建立されました。
屋根の上の飾りは、クチナシの実を模しています。
これは将棋盤の足にも採用されているもので、
「口無し」ともつながり、
将棋の対局中は助言無用であることを表しています。
堂内の奥には、
勝ち神である八幡様が祀られています。
将棋も勝負ごと。八幡様のお力が必要です。
お堂のまわりにはたくさんの絵馬が掛けられ、
第二の羽生善治さん、第二の藤井聡太さんを目指す
人たちが祈願していきます。
絵馬の数を見ると、将棋人気の高さをうかがい知ることができます。
ここでは毎年、正月休み明けに、
将棋界の一年の始まりを告げる「将棋堂祈願祭」が行われます。
鳩森八幡神社関係者と将棋関係者が一同に集い、
将棋界の発展、棋力向上をお祈りします。
もちろん、プロの棋士たちも参加します。
儀式が終わったあとは、将棋会館に場所を移して「指し初め式」。
一年の幸福や健闘を祈念し、
一局の将棋を、棋士や関係者らが一手ずつリレー方式で
継いでいくという伝統行事です。
この対局は決着がつくまで指すことはなく、
指しかけ(=対局を途中でやめること)とするのが慣例です。
渋谷区というと、センター街のような派手な印象があるかと思いますが、
千駄ヶ谷はそこまでの喧騒感はありません。
鳩森八幡神社は住宅街の静かなところに鎮座しています。
境内にはのんびりとくつろいでいる人が多く見られ、
この神社がいかに地元の人から愛されているかが分かります。
将棋がよく分からなくても、
授かりたい「黄金の王手守」。
将棋のごとく、緻密さと大胆さをもってすれば、
勝利というご利益を与えていただくことができるでしょう。
![](https://www10.a8.net/0.gif?a8mat=3NEVKQ+4D6GHE+4XF8+5ZU29)
![](https://www17.a8.net/0.gif?a8mat=3NEZHK+2OG8S2+1OK+669JL)
住所:東京都渋谷区千駄ケ谷1-1-24
アクセス:JR千駄ヶ谷駅より徒歩5分、都営大江戸線国立競技場駅より徒歩5分
東京メトロ副都心線北参道駅より徒歩5分
https://www.hatonomori-shrine.or.jp/
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