本来のお守りの名前は「御守 健康・幸福」
お守りコレクションblog
第158回目は神奈川県鎌倉市にある
銭洗弁財天宇賀福神社の「御守」です。
初穂料500円(授与時)。
銭洗弁財天宇賀福神社といえば
金運アップと修学旅行で有名です。
授与所を見ていましたら
財布、貯金通帳入れ、印鑑袋など
金運に関するものが存在感を放つ中で
最もわたくしの心をさらったのが
今回紹介する「御守」でした。
単に「御守」としか書かれていませんが
実際の窓口には
「御守 健康・幸福」とありました。
「金運」も捨てがたいが
「健康・幸福」とどちらかを選べと言われたら
誰しもが後者と答えるのではないでしょうか。
ところが
お守りのデザインを見てみると
金運の象徴でもある
打ち出の小槌、小判、金袋が描かれている。
お守り名とデザインが合致していない。。。
「なんなんだこれは!」
と思ったのですが、
ある程度のお金がないと健康は維持できない。
ある程度のお金があれば幸せを感じやすい。
であるとするならば
「御守 健康・幸福」に
お金がデザインされていても納得です。
そう考えると
かなりリアリストなお守りです。
銭洗弁財天宇賀福神社の社紋は
「対い波に三つ鱗」。↓
これは江島神社と同じであります。
江島神社の「龍神守」からピックアップしました。↓
「龍神守」を紹介している記事がありますので
こちらもぜひチェックしてください!
うっすら浮かぶ「鱗文様」は北条氏の家紋であり魔除け効果も
裏面です。
「銭洗弁財天宇賀福神社」が
2行になって入っています。
右上には鎌倉の文字。
鎌倉にありますから当然ですね。
そしておもて面同様、
打ち出の小槌、小判、金袋もあります。
おもて面もそうでしたが、
ジャガード編みのように
白地に三角マークが入っています。
分かりますでしょうか。
暗めに撮影すると強調されます。↓
三角形を並べた文様は
魚や蛇の鱗に形が似ていることから
「鱗文様」と呼ばれ、
魔除けの力があるとされています。
そこで
おもて面にあった社紋を
思い出してください。
小さい三角形で構成された三角模様は
実は鎌倉幕府の執権を務めた
北条氏の家紋です。
そこに波紋を加えることで
水の神である龍神の荒ぶる姿を表現し、
社紋としました。
龍にも鱗がありますから
そこでの共通点もありますよね。
つまり
ここで分かるのは
銭洗弁財天宇賀福神社も江島神社も
鎌倉幕府によって
大切にされていたということです。
そんな二社ですから
歴史的価値の高い神社として
尊崇されているわけです。
※銭洗弁財天宇賀福神社の公式HPはありません。
銭洗弁財天宇賀福神社とは以下のようなところです。
本宮で参拝したら奥宮でお金を洗って金運アップ!
鎌倉駅、北鎌倉駅ともに
徒歩で30分くらいかかります。
遠いなと感じるかもしれませんが、
街並み、山並みを見ながら歩くには
ちょうどいい距離だと思っています。
銭洗弁財天宇賀福神社が鎮座する場所は
古くから隠里と呼ばれ、
福神の住むところといわれた凹地です。
入り口に鳥居が建っていますが、
その先はトンネルになっています。↓
なんだかワクワクしますね。
トンネルの向こうに光が見えます。
石碑の文字、
見事な達筆です。↓
さっそく入りましょう。↓
吸い込まれそうです。
大岩を削ったトンネルの次は
鳥居のトンネルです。↓
鳥居のトンネルを抜けたら境内です。↓
真っ直ぐ行った右奥に
本宮が見えます。
本宮の手前に
お線香を上げる香炉が。↓
香炉といえばお寺。
なぜ神社にあるのでしょう。
銭洗弁財天宇賀福神社の名前と関係していそうです。
弁財天は仏教において
古代インドの水の女神サラスヴァティーだといわれ、
日本神話における財神、宇賀神と同一視されています。
神仏習合ですね。
明治時代に入り、神仏分離が行われても
それまでの風習が残り
今に続いているのでしょう。
これは貴重ですね!
本宮です。↓
巳の年の1185(文治元)年、
巳の月、巳の日の夜に、
源頼朝の夢にひとりの老人が現れ
「西北の谷から湧き出す霊水で
神仏を供養せよ。
そうすれば天下は泰平になるだろう。
わたくしは宇賀神である」
と告げられました。
頼朝はその言葉どおり
西北の谷に泉を見つけました。
そこに洞窟を掘らせて宇賀神を祀り、
その水で神仏の供養を行ったことが
銭洗弁財天宇賀福神社の
創建といわれています。
その洞窟が本宮の左側にあります。↓
奥宮です。
宇賀神と弁財天が祀られています。
弁財天は座っておられるから
分かりますが、
宇賀神はどこ?↓
と思う人もいるはず。
宇賀神は弁財天の頭に
ちょこんと乗っている神様です。
人頭蛇身のお姿をしています。
第五代執権の北条時頼も
こちらの神を敬い、
人々に参拝させました。
そして
「銭をこの水で洗い清め
同時に心身も清めて行いを慎めば
不浄の塵垢が消えて、
清浄の福銭となる」
といい、
一家繁栄、子孫長久を祈ったといいます。
人々もそれにならって
銭を洗い清めるようになりました。
以来、約700年以上もその習わしが続いています。
ちなみに
銭洗の水は鎌倉五名水にも数えられています。
わたくしも
お金を洗い清めました。↓
全財産投入です。
急にお金を使うことになったら
乾いているかな。
大丈夫。
きっと乾くはず!
境内社まで回ったら、ご近所の古民家カフェでスイーツを堪能
奥宮をあとにして
次に向かったのは
「上之水神宮(かみのみずじんぐう)」です。↓
本宮の裏手に階段があり、
上っていくとあります。
お社が建てられてはおりますが、
神様が祀られているのは洞窟の中。
水波能売命(みずはのめのかみ)という
水の神様がおられます。
その神様は
ここに湧き出る清水そのものとも
いわれているそうです。
左手にある池にはたくさんの鯉が泳いでいます。↓
「上之水神宮」があるということは
「下之水神宮(しものみずじんぐう)」
があるということです。↓
御祭神は上之水神宮と同じ
水波能売命(みずはのめのかみ)です。
下之水神宮の右には
七福神社があります。↓
その名のとおり
七福神(恵比寿、大黒、毘沙門、弁才天、福禄寿、寿老人、布袋)
が祀られています。
金運アップを願うなら
こちらにも参拝したいところです。
隣同士の下之水神宮もそうでしたが、
お社に北条氏の家紋が入っております。↓
昭和の駄菓子屋を彷彿させる
茶屋も要チェックです。↓
串団子、揚げ餅、甘酒などがおいしそう!
訪れたら
ぜひ購入してください。
銭洗弁財天宇賀福神社から
数秒のところに
「カフェ グラ」というお店があります。↓
境内にあるのではないか
というくらい近いです。
超レトロな雰囲気の古民家カフェ。↓
お菓子と飲み物のセットが300円。
お菓子はチーズケーキ、アップルパイ、
パンプキンムース、わらび餅から選ぶことができ、
ドリンクは
コーヒー、紅茶、抹茶、
フレバーティ、ジュースなどから選べます。
わたくしは
チーズケーキのお菓子とフレバーティのセットに加えて
単品でアップルパイ、パンプキンムース、
わらび餅を注文。
つまり
お菓子を全部頼んだということです。
単品は200円です。↓
※わらび餅は作るのに時間を費やすということで
写真には入っておりません。
甘さ控えめでとてもおいしかったです。
店主も親切ていねいな方で
長居したくなる雰囲気。
お客さんは女性ばかりなのかなと思ったのですが、
意外にも一人で訪れる男性客が多かったです。
「あっ! 洗った紙幣が乾いていない……」
小銭がありましたので
大丈夫でした。
良かった!
「カフェ グラ」は
木曜日と土曜日だけの営業となりますので
ご注意くださいね。
なんと
このカフェには
リスがやって来るんです。↓
上下の写真は別のリス。
全部で3匹が登場しました。
餌付けされている様子はなく、
日向ぼっこをするために
遊びに来ている感じです。
人間を警戒をしているとは思いますが、
怖がっている印象はありませんでした。
そもそも神社とは(お寺もそうですが)、
手を合わせて感謝、願い、誓いを
お伝えするところ。
そんな神聖な場所でお金を洗うなんて
冷静に考えてみれば
おかしな行動ですよね。
手を合わせるのが「静」であるならば
洗うという行為は「動」。
まったく反対なわけですものね。
でも
そうまでして金運アップを願いたいほど
お金は重要です。
お金を洗い清めて
金運を上げましょう!
住所:神奈川県鎌倉市佐助2-25-16
アクセス:鎌倉駅西口から徒歩約30分
公式HPはありません
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