絵柄は葛飾北斎の『神奈川沖浪裏』がモチーフ
第128回目は島根県松江市にある
賣布(めふ)神社の「御守」です。
初穂料1000円(授与時)。
![](https://omamori-collection.com/wp-content/uploads/2023/07/IMG_3373a-637x1024.jpg)
お守りの絵は
葛飾北斎の『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏(かながわおきなみうら)』
モチーフです。
なぜモチーフかというと
原画は大波の向こうに富士山が描かれているからであります。
本来の作品はこちら。↓
![](https://omamori-collection.com/wp-content/uploads/2023/07/葛飾北斎の絵.png)
日本を代表する浮世絵師の作品を
加工してもいいの?
葛飾北斎の絵は
商用利用も含めて著作権フリーになっていて、
自由に使用できるようになっています。
ただし
公序良俗に反する・違法性のある用途への使用のみは禁止。
それ以外の制限は一切なく、
著作権を表記するような条件もありません。
それにしても見事な絵、見事なお守りです。
波の迫力と
それに立ち向かう船人たちの勇ましさに感服します。
波に翻弄される船は3隻。
「押送り舟」と呼ばれる舟で、
伊豆や安房のほうから江戸湾に入り、
日本橋などの市場に鮮魚や野菜を
運搬しているところなのだそう。
この絵は
千葉県木更津方面から
江戸湾を臨んで描いたとの説があります。
祓戸大神とは賣布神社のご祭神・速秋津比賣神
裏面です。
![](https://omamori-collection.com/wp-content/uploads/2023/07/IMG_3374a-734x1024.jpg)
引き続き
葛飾北斎の絵『神奈川沖浪裏』であります。
真ん中には
「祓戸大神 賣布神社」と入っています。
祓戸は「はらえど」と読みます。
祓戸大神とは
賣布神社のご祭神である
速秋津比賣神(はやあきつひめのかみ)のことで、
祓戸四神(はらえどししん)に属し、
穢れを祓う大祓(おおはらえ)の神としての
役目を担っています。
さらに
別名を「水戸神(みなとのかみ)」といい、
「水戸」とは川が海に合流する河口を意味し、
河口を支配する港の神としても崇拝されています。
「延喜式(えんぎしき)」で唱えられる大祓祝詞の中では
罪穢れを飲み干す神として登場します。
速秋津比賣神は近くにある湖、
宍道湖(しんじこ)の安全を
守っているともいわれています。
こちらが宍道湖です。↓
![](https://omamori-collection.com/wp-content/uploads/2023/07/IMG_4163-1024x768.jpg)
お守りのご利益は
ご祭神が大祓の神であり、
水戸神であることを考えますと
厄除け、お清め、海上安全で
あろうと思います。
賣布神社とは以下のようなところです。
※賣布神社の公式HPはありません。
「賣布(めふ)」とは海藻や草木が豊かに生えることの意味
賣布神社はJR松江駅北口から歩いて
10分くらいの距離にあります。
宍道湖から大橋川へと流れる河口近くにあり、
ご祭神が「水戸神(みなとのかみ)」といわれる
所以が分かります。
駅の方角から歩いていき
大通りを左へ曲がると鳥居があります。↓
![](https://omamori-collection.com/wp-content/uploads/2023/07/IMG_3085-1024x768.jpg)
鳥居を入ると
すぐの左右に狛犬がおります。↓
![](https://omamori-collection.com/wp-content/uploads/2023/07/IMG_3086-768x1024.jpg)
![](https://omamori-collection.com/wp-content/uploads/2023/07/IMG_3087-768x1024.jpg)
神社によって狛犬の形が
違うのがおもしろいですよね。
賣布神社の狛犬はスマートで筋肉質。
拝殿です。↓
![](https://omamori-collection.com/wp-content/uploads/2023/07/IMG_3089-1024x768.jpg)
賣布神社は摂社である
和田津見神社のご祭神、櫛八玉神(くしやたまのかみ)が
潮の流れの中にあるといわれる
速秋津比賣神を生命の祖神として
祀ったのが始まりといわれています。
それはいつ?
となると、遠く神代であるということです。
「賣布(めふ)」とは
海藻や草木が豊かに生えること。
この土地の周辺を見えると
「なるほど納得!」と思うネーミングです。
施された龍の彫刻は
目だけが白く塗られています。
ついついそこへ視線が向いてしまいます。↓
![](https://omamori-collection.com/wp-content/uploads/2023/07/IMG_3092-1024x768.jpg)
![](https://omamori-collection.com/wp-content/uploads/2023/07/IMG_3091-1024x768.jpg)
賣布神社創建の始まりとなった
櫛八玉神が祀られている
和田津見神社です。↓
![](https://omamori-collection.com/wp-content/uploads/2023/07/IMG_3096-1024x768.jpg)
小さいながらも囲いが合って、
お社の扉も重厚。
特別感が滲み出ています。
本殿の裏側です。↓
![](https://omamori-collection.com/wp-content/uploads/2023/07/IMG_3098-768x1024.jpg)
裏詣でできるところであれば
絶対に詣でます。
それにしても
いい感じの雲ですね。
龍雲みたいです。
ここにある龍も
やはり目だけが白く塗られています。↓
![](https://omamori-collection.com/wp-content/uploads/2023/07/IMG_3099-768x1024.jpg)
社殿の裏には
2つのお社があります。
左側にあるのが金比羅社。↓
![](https://omamori-collection.com/wp-content/uploads/2023/07/IMG_3100-1024x768.jpg)
右にあるのが船霊社です。↓
![](https://omamori-collection.com/wp-content/uploads/2023/07/IMG_3101-1024x768.jpg)
船霊社は航海の神様を祀っている
お社となります。
そしてこれ!
賣布神社の隠れた名物が
塩番茶です。↓
![](https://omamori-collection.com/wp-content/uploads/2023/07/IMG_3104-1024x768.jpg)
番茶と塩なんて
「なんちゅー組み合わせだ!」と
思ったのですが、
飲んでみたら
塩のしょっぱさが番茶の味を引き締めて
「美味!」
これを思いついた人、天才!
汗をかいていた体にいい塩分補給となりました!
参拝に訪れたこの日は暑かった。
神社の方は
「暑いのに熱いお茶ですみません。
冷たいと塩が溶けないんですよ」
と申し訳なさそうに
おっしゃってくれました。
でも
水分をいただけるだけありがたい!
暑いときに熱い飲み物もありです!
ちなみにこの塩は
神事で使用されたものなのだそう。
神様からのおすそ分けですね!
湖や川といった水が身近にある街、松江ならではの
素敵な神社でした。
お守りもカッコいい。
お守りの絵柄になるなんて
葛飾北斎もきっと喜んでいるのではないでしょうか。
少なくとも
わたくしは喜んでいます!
住所:島根県松江市和多見町81
アクセス:JR松江駅北口より徒歩10分
※公式HPはありません
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