【今戸神社の御守】右手を上げる招き猫が金運や幸運を届ける

東京
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遠くからでも目立つピンク色のまばゆいルックス

第28回目は、東京都台東区今戸にある
今戸神社の「御守」です。
初穂料800円(授与時)。

全体がピンク色。
たくさんあるお守りから、
こちらを選んだのはバーンと目に飛びこんできて、
他に目が行かなくなったから。

やはりピンクは目立ちます。
しかも蛍光ピンクに近いピンク色。
発色鮮やかで、主張力が並大抵ではない。
魅惑的ですらあります。

お守りの中央に金糸で「御守」の二文字。
「御」が異体字といいますか、略字といいますか、
ちょっと見たことのない字体となっています。
その上には社紋。三つ巴(みつともえ)といわれる紋です。
三つ巴紋にはいろいろあり、
その中でも「有馬左三つ巴」といわれるものに似ている気がします。↙

こちらにも似ています。「尾長左三つ巴」です。↓

よく見かけるのが「左三つ巴」。↘

逆回転の「右三つ巴」もあります。↘

三つ巴紋は八幡神社系に多い社紋です。
ならば今戸神社は八幡神社系?
はい。
もともとは今戸八幡という名前でした。
1937年(昭和12年)に今戸の隣地に鎮座されていた白山神社と合祀し、
社名が今戸神社と改称されました。

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鳩の絵は今戸八幡時代の名残?

「御守」の両脇には、
鳩が一羽ずついます。
鳩は八幡神の神使。
神の外出時に危害を事前に報告したり、
神意を伝達・宣伝したりすると信じられていました。

ちなみに、
鎌倉の鶴岡八幡宮の社額は、二羽の鳩によって「八」が構成されています。
(今戸神社の社額ではありません)↓

お守りにはイチョウの葉も描かれています。
今戸神社の境内には見事なイチョウの木があり、
これをモチーフにしたと思われます。↓

イチョウの木を囲むように大量の絵馬が掛けられています。
縁結びで有名な神社ですから、
良縁を願う人たちの思いがたくさん詰まっているのでしょうね。
それにしても、この光景は圧巻です。

他にも、
煙のような雲のような、そんなものも描かれ、
日本画チックに仕上がっているのではないでしょうか。

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お守りの裏面には「猫神社」ならではなの招き猫が2匹

裏面です。

招き猫が二匹います。
「いざなぎ」と「いざなみ」というんだそう。
どっちがどっちかは不明です。

ご祭神である伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉冉尊(いざなみのみこと)
から名付けられました。

なぜ招き猫がお守りに?
それにはこんな話が関係していると思われます。

1852年(嘉永5年)ごろの江戸時代末期に、
この付近に暮らしていてた貧しい老婆が、
愛する猫を手放すことになったそうです。
ある晩、老婆の夢枕に愛猫が立ち、
「自分の姿を人形にしてほしい」と語りました。
そのお告げに従った老婆は、
猫の人形を今戸焼で作り、
浅草神社の鳥居の脇で売ったところ、
猫の今戸焼が評判になったといいます。

この時代に、今戸焼製の招き猫があったというのは、
古い伝世品や遺跡の出土品から確認できているとのこと。
嘉永5年の記述とも符合するそうです。
このことから、
今戸神社のあるこの周辺が招き猫発祥の地といわれ、
その歴史を受け継いで、
デザインされているのだと思われます。

さらに今戸神社では、
招き猫は金運を招く縁起物としてだけではなく、
縁結び、恋愛成就、夫婦円満など、
さまざまな福を招くものとして尊崇されていることから、
お守りに描かれているとも考えられます。

そんな今戸神社には、こんな巨大な招き猫の置物があります。↓
拝殿の扉や手すりと比べて、大きさを想像してみてください。

こんな石像もあります。↓

招き猫はポーズや色によってご利益が違うといいます。
・右手を上げている招き猫は、オス猫といわれており、金運や幸運を上げてくれる。
・左手を上げている招き猫は、メス猫といわれており、商売繁盛や良縁など、人に関する福を呼び込んでくれる。
・両手を上げている招き猫は、お金と良縁を一緒に招くといわれているが、「お手上げ」のポーズにも見えるため、縁起が良くないと考える人もいるようです。
・白や三毛の招き猫は、オールマイティに「開運招福」のご利益。
・黒色の招き猫は、何色にも染まらないという意味で、魔除け・厄除けの意味を持つ。
・黄色や金色の招き猫は、お金を招く。
・赤色には魔除けの意味があるということで、赤い招き猫は病を遠ざける。
・ピンク色の招き猫は恋愛成就。
・知性の色といわれる青色の招き猫は、学力向上や交通安のご利益がある。
・心の平穏につながる緑の招き猫は、学業成就・必勝合格・交通安全のご利益。

イチョウの木のくだりで
「縁結びで有名な神社」と上記しましたが、
招き猫の「導く力」が
そのような地位へと押し上げ、
「猫神社」との愛称を持つまでに至ったというのは
すばらしいことではないでしょうか。

今戸神社とは以下のようなところです。

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八幡太郎こと源義家と深い縁のある今戸神社

1063年(後冷泉天皇康平6年)、
奥羽鎮守府将軍の源頼義・義家父子が、
勅令によって奥州の安部貞任・宗任を討伐する折、
鎌倉の鶴ヶ岡と浅草今之津(現在の今戸)に、
京都の石清水八幡を勧請したのが
今戸八幡(現在の今戸神社)の始まりです。

1081年(永保元年)には、
源義家は謀反をおこした清原武衡・家衡討伐のため、
今之津を通過する際に、今戸八幡で戦勝祈願をしました。
治めることに成功すると、義家は神徳に報いて社殿を修復しました。

しかし、その後、戦乱兵火に遭うごとに
神社は焼失し、再建されることがしばしばでした。

1636年(寛永13年)三大将軍徳川家光によって再建。
1923年(大正12年)9月には関東大震災によって
社殿はまたも灰燼(かいじん)に帰します。
間もなく復興したものの、
1945年(昭和20年)3月の東京大空襲によって
被災の憂き目に遭ってしまいました。

こうした歴史を繰り返しながら、
1971年(昭和46年)に氏子崇敬者の浄財によって、
現在の社殿が造営されました。

その間、1937年(昭和12年)7月に
今戸の隣地に鎮座されていた白山神社と合祀して、
社名が今戸神社となりました。

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親子の慈愛、男女の縁結びを司る神が御祭神

御祭神は応仁天皇、伊弉諾尊、伊弉冉尊、
そして七福神のうちの福禄寿です。

応仁天皇と同一視される八幡さまの信仰は、
一般的には武運長久の霊験と思われています。
その一方で、
母である神功皇后とともに
大陸文化を輸入して日本の文化興隆を図られたことから、
親子の慈愛を込めて、子を育てる大愛を本願ともしています。

また、伊弉諾・伊弉冉の二柱の男女神は、天神の命を受けて、
日本の国土を創成し、諸神を産み、
山海や草木を生したといわれています。
このことから、
伊弉諾と伊弉冉は縁を結び、
生産の基盤を固める神として崇められてきました。
招き猫の力だけでなく、もともとの御祭神によっても
縁結びのご利益があるというわけです。

福禄寿は幸福と封禄と長寿を兼ね備える神で、七福神の一神。
今戸神社は浅草名所七福神のひとつになっています。
(まめ知識の「あ行」を参照してください)

浅草名所七福神が九社寺あるのは、
「九は数の究み、一は転じて七、七転じて九と為す。
九は鳩であり、あつまる意味をもち、
又、天地の至数、易では陽を表す」という古事に由来しています。

また、今戸神社は
東京下町八福神のひとつでもあります。
(まめ知識の「た行」を参照してください)

「猫神社」と呼ばれるように
キャラクター性が強い今戸神社ですが、
下町に根付き、地元に愛されていることが分かります。

また、
今戸神社は新選組の沖田総司が療養した場所でもあるそうです。
そういった理由から新選組ファンにも人気です。

猫好き、恋愛成就させたい人、新選組ファン、
それ以外にも今戸神社に興味を持った方は、
お出かけしてみてください。
最寄り駅が浅草駅なので、参拝後は浅草観光で1日楽しんでください!

ちなみにこちらも
沖田総司ゆかりの神社です。↓

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住所:東京都台東区今戸1-5-22
アクセス:各線浅草駅より徒歩15分
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