「夫」と「婦」をピッタリくっつけると夫婦岩が完成
第113回目は三重県伊勢市にある
二見興玉(ふたみおきたま)神社の「夫婦御守」です。
初穂料1200円(授与時)。
ペアになっているお守りです。
夫は紫色、妻は朱色。
夫のほうには男岩(立岩)、
妻のほうには女岩(根尻岩)が描かれ、
2体をくっつけると
二見輿玉神社のシンボルである
夫婦岩が完成します。
モチーフがこちら。↓
男岩の頂上にある鳥居は
お守りでもしっかりと再現されています。
さらには
二見興玉神社のご祭神である猿田彦大神と
妻神である天鈿女命(あめのうずめのみこと)とも
引っ掛けています。
描かれた鶴亀は夫婦円満の象徴
裏面です。
真ん中に金糸で神社名の
二見興玉神社と入っています。
その周りには
鶴と亀がたわむれているようなデザイン。
かわいいですね!
鶴と亀は
一度結ばれると、
ずっと夫婦いっしょに暮らすといわれていることから
夫婦円満の象徴となっています。
鶴と亀は健康長寿のシンボルとして有名ですが、
そのような意味もあるのかと
初めて知りました。
ちなみに
HPには夫婦円満、子授けのご利益があると
書かれています。
他にも
亀は、
昔の人がお金を貯めていた瓶(かめ)と
同じ読み方であること、
甲羅が小判と似た形であることなどから、
「金運」にもご利益があるともいわれます。
つまり、大きく解釈すると
こちらの「夫婦御守」には
夫婦円満で、
かつ健康で長生きでき、
子にも恵まれ、
お金にも困らない
というご利益があるのだろうと
勝手に思っています。
すごいご利益ですね!
「夫婦御守」は
きれいな箱に入って授与されます。↓
二見興玉神社のお守り紹介はこちら
二見興玉神社とは以下のようなところです。
まずは境内社の龍宮社で龍神様にご挨拶
二見興玉神社は伊勢にある神社。
伊勢といえば伊勢神宮です。
実は、古来から
二見興玉神社は伊勢神宮へ詣でる前に
穢れを落とすために行く神社といわれてきました。
つまり
伊勢詣とセットなのです。
昔の人は
この二見浦海岸の海水に浸かって
心身の垢を落として
禊をしていたんだそうです。↓
朱色の鳥居があります。
参道というよりかは
海岸沿いを歩いているような
イメージです。↓
正面に見える
朱色の建物ならびに
緑の屋根は
境内社である龍宮社。↓
御祭神は海を守護する綿津見大神(わたつみのおおかみ)。
全国の漁業船舶関係者の信仰が厚いだけでなく、
地元の氏子さんをはじめ、
数多くの崇敬者の方々から
「龍神さん」「龍宮さん」と呼ばれ
親しまれているといいます。
手水舎はもちろん龍神様です。↓
狛犬ならぬ
狛龍です。↓
興玉神石を敬う信仰が二見興玉神社の始まり
龍宮社を過ぎると
禊(みそぎ)橋が見えてきます。↓
この橋名、
さすが伊勢詣での前に
禊をする風習がある神社だけあります。
禊橋を渡ると
夫婦岩に接近できます。
もちろん上陸はできません。↓
男岩(立岩)は高さ9m、周囲は44m。
女岩(根尻岩)は高さ4m、周囲10m。
大注連縄の長さは35mあります。
縄は男岩には16m、女岩には10m分が巻かれ、
その間は9mの長さがあるそうです。
約650年前(文保年間)には
すでに張られていたといいます。
男岩の頂上にはお社が建っています。↓
両岩が「夫婦岩」と
名付けられたのは明治以降のこと。
それまでは総称して「立石」、
親しみを込めて「立石さん」と
いわれていたそうです。
これは、この地が古くより
立石崎と呼ばれてきたことに
由来しているとのこと。
その立石を神門とし、
「興玉神石」の遥拝所を設けたのが
二見興玉神社の信仰の始まりといわれています。
その遥拝所がここです。↓
鳥居を正面に見たとき、
夫婦岩がばっちり入ります。↓
すごくありがたい光景です!
幸運に恵まれそう!
昔の人たちは
ここから夫婦岩を鳥居に見立てて
「興玉神石」を崇めていました。
つまり上の写真は
鳥居が2つある状態ですね。
「興玉神石」とは
神代の昔、垂仁天皇の皇女である
倭姫命(やまとひめのみこと)が
天照大神に奉仕するために
二見浦へ船で入られたときに、
猿田彦大神がお出迎えした霊石といわれています。
しかし
宝暦年間の津波で海底が沈下した際、
かつて見えていた岩頭も沈んでしまい、
今は暗礁(隠れ岩)となってしまいました。
現在は船でなければ拝むことが出来ません。
ちなみに位置的には
夫婦岩から東北に700m先に鎮まれています。
いったいどのような形をした岩だったのでしょうか。
実際にもう見ることができないというのが
また神秘的で
そういった謎めいたところが
人々を魅了するのでしょう。
猿田彦大神の神使「蛙」が、ここでは二見蛙という愛称に
さらに海岸沿いを
歩いていきますと
拝殿に到着します。↓
御祭神は猿田彦大神です。
猿田彦大神は天孫降臨の際に、
天照大神に遣わされた
邇邇芸命(ににぎのみこと)を道案内したことから
「道開き(導き)の神」といわれています。
道案内したのち、
伊勢国五十鈴川のほとりに
鎮座したということです。
遠めから拝殿を見ると
こうなっています。↓
潮風によって
建物が傷まないように造られている
という印象です。
お賽銭箱の横には
蛙みくじなるものがありました。↓
そういえば、
あちらこちらに蛙の像がたくさんありましたが、
なんでなのでしょうか?↓
蛙が猿田彦大神の神使であったことから、
奉納されるようになり
「二見蛙」ともいわれています。
さらに
伊勢神宮へ参拝される方々の
旅の安全、航海の安穏を祈念して
「無事かえる」の願いからでたものとも
伝えられています。
お金がかえる、
物事がかえるといった
御利益にあずかることもできるそうですよ。
三宮神社の遺跡には猿田彦大神の妻神、天鈿女命の石像が
拝殿を過ぎて
もう少し進んでいくと
「天の岩屋」というお社というか
岩窟があります。↓
正面扉の向こうが洞穴になっています。
この岩窟は
往古より穀物の神である
宇迦御魂大神(うがのみたまのおおかみ)を
祀った三宮神社の遺跡と伝わっています。
三宮神社は文禄年間に外側の境内に遷宮されました。
こちらの石像は天鈿女命(あめのうずめのみこと)です。↓
同じ女神なので
よく宇迦御魂神(うかのみたまのかみ)と
間違えられるようなのですが、
宇迦御魂大神はお引っ越しされ、
現在は霊石だけがあるとのこと。
とはいいつつ、
二見興玉神社の相殿として祀られています。
天鈿女命(あめのうずめのみこと)は
天の岩戸前で裸踊りをして
天照大御神を導き出した女神。
「岩戸隠れの伝説」において欠かせない神様です。
のちに二見興玉神社のご祭神である
猿田彦大神の妻神となります。
全国に「天の岩戸」「天の岩屋」と称される場所は
多くありますが、
ここもその一つ。
石像は信者の方が寄進したものだそうです。
お伊勢参りの前に
穢れを落とすために
行く二見興玉神社。
こちらで参拝してから
伊勢神宮へ向かうと
また違った何かを感じられる
かもしれませんよ。
住所:三重県伊勢市二見町江575
アクセス:JR参宮線「二見浦駅」から徒歩約15分
https://futamiokitamajinja.or.jp/
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