【弘明寺のお守り】寺紋も寺名もない。まさしく”俺のお守り”

神奈川
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表も裏も小葵文の柄のみ

第49回目は神奈川県横浜市南区にある
弘明寺(ぐみょうじ)の「お守り」です。
お守り代は800円(授与時)。

朱色の生地に白、黄緑、黄、紺が入ったカラー。
この柄は
菱形の花の周囲を
葉がたすき状に囲んだ
小葵文と呼ばれる唐花文様の一種です。
平安時代以降の公家社会において
装束、調度、輿車(よしゃ)、建築などに
用いられた伝統的な文様でもあります。
お守りにも多く見られます。

一瞬見ただけでも何も書いていない
のが分かるお守り。

裏側にも何も書いていません。↓

柄しかない。
未完成のまま授与されているもの?

いえ。
ちゃんとした正規のお守りです。

こちらのお守りは
叶ってほしい願いを
自分で吹き込むというもの。
だから何も書かれていないんです。

だとしても
せめて寺紋やお寺名くらいは入れたくなるもの。
それすらないのは、
授与された人の願い事を優先するという、
弘明寺の心意気なのだと解釈します。

学業成就、健康長寿、厄除け、開運、恋愛、仕事など、
何でもいいので、ただ自分の願いを唱えればいい。
それだけです。

まさに
心願成就お守りですね。

面白い趣旨だと思います。

弘明寺のお守り紹介はこちら

弘明寺とは以下のようなところです。

瑞應山 蓮華院 弘明寺
横浜最古の寺である瑞應山 蓮華院 弘明寺の境内や見どころ、行事、祈願、供養、四季折々の写真などをご紹介します。
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廃仏毀釈で一度は廃れるも見事に復活

横浜最古のお寺としても有名な弘明寺。
1044年(寛徳元年)3月10日に
光慧上人によって瓦葺き本堂が建立され、
さらに
御本尊である木造十一面観音立像が造られた推測年代と
時期がほぼ一致することから、
この時代が開山だといわれています。

鎌倉時代に入ると、
もともとは「求明寺」という寺社名だったのが
観音経偈文(かんのんぎょうげもん)の中の
「弘誓深如海(ぐぜいじんにょかい)」の「弘」の字を取り、
「求」を改めて現在の弘明寺となったといいます。

明和3年(1766年)、
智光上人により現在の本堂に再建。
光慧上人が建立したときの
チョーナ彫の床板やハリ、ケタなどは再使用されました。

しかし、大政奉還によって政権が朝廷に戻った明治時代。
神道に属さない仏教寺院は
全国で大弾圧を受け、
弘明寺も寺領は
御朱印と共に新政府に没集。
明治中期には無住職となって寺伝、数々の寺宝、
住職系図までもが紛失する事態となりました。

明治34年(1901年)に
渡辺寛玉師が住職に就任すると、
弘明寺保勝会が設立され、
弘明寺の復興と町おこしに邁進されました。

明治44年(1911年)には、
県知事である周布公平氏の指示により、
仁王門前から鎌倉街道に接する農道が整備され
直線の4間道路が完成。
これが現在の弘明寺商店街です。

昭和51年(1976年)には、
美松寛海和尚により
本堂屋根銅板張り替え工事、客殿改修工事が行われ、
続いて美松寛定和尚により
「平成の大修築」が実施されました。

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七ツ石が見どころの一つ

弘明寺は横浜市営地下鉄「弘明寺」駅からだと
弘明寺商店街の中を通って、商店街を抜けたところにあります。
京急線「弘明寺」駅だと
もう目の前です。

弘明寺の入り口にあるのは仁王門。↓

仁王門の左右には金剛力士像が待ち構えています。
神奈川県下に残る最古の中世作。
13世紀後半の作品だそうです。横浜市指定有形文化財。↓

仁王門をくぐると階段を上るようになっています。
下から本堂の屋根が見えています。↓

本堂です。↓

本堂の中には、
御本尊の十一面観世音菩薩像があります。
平安時代の中期に造られ、
大正4年に国宝に指定。
昭和25年には国指定重要文化財となりました。

七ツ石です。↓

弘明寺が開山されるずっと以前、
721年(養老5年)に
インドの善無畏(ぜんむい)三蔵法師が渡来した際、
弘明寺が建つ前のこの辺りの霊域を感得し、
陀羅尼(だらに)を書写して
結界を立てました。
そのときの霊石が七ツ石です。
弘明寺の見どころともなっています。

大師堂です。↓

弘明寺は真言宗のお寺。
真言宗の宗祖、弘法大師が奉安されています。

弘明寺は朝井リョウさんの小説「正欲」に登場します。
初詣にはたくさんの人々が訪れる人気のお寺と書かれていました。
この小説を読んで、行ってみたいと思ったのがきっかけです。

平日の夕方前に訪れたのですが、
ひっきりなしに人がやって来るという印象でした。
小説どおり、地元の人気スポットになっているようです。

それもそうでしょう。
お寺の名前がそのまま駅名になっていますから。
京浜急行「弘明寺」駅、横浜市営地下鉄「弘明寺」駅。
弘明寺商店街は安くてテンションが上がりました!
以前住んでいた赤羽の隣にある
十条という町の商店街のようでした。
別の地にいながら、
別の地を懐かしむというのも変ですが、
そんな気持ちです。

弘明寺を知っている人も知らない人も行ってみてはいかがでしょうか?
お守りの種類もたくさんあります!

住所:神奈川県横浜市南区弘明寺町267
アクセス:京急線弘明寺駅より徒歩2分
     横浜市営地下鉄弘明寺駅より徒歩5分
https://www.gumyoji.jp/

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