透明素材の内符とレースの生地で裏側まで透き通って見える
お守りコレクションblog
第183回目は愛知県一宮市にある
尾張猿田彦神社の「みちびきレース守り」です。
初穂料1000円(授与時)。
お守り袋がレースで奉製されているため
中に納められた内符が透けています。
しかも
内符が透明の素材なので
裏側までが見えるようになっています。
そんな特徴を持つお守りですので
空にかざすととても美しいです。↓
青紫と白のグラデーションになっている
レース生地が青空の輝きと同調して
明るく爽やかに変化。
刺繍された猿田彦大神にも聡明感が出ました。
曇り空のときだと青紫が薄まり、
全体が白っぽくなって
猿田彦大神もまわりと同化します。↓
天気や光で変化するお守りって
おもしろいですね!
曇り空で撮影したお守りは
猿田彦大神が二重になって見えているかと思います。
なぜそうなるかというと、
鏡のように裏面にも同じ刺繍が施されていて、
それが透けて見えているからです。
天狗のような表情で正しい方向へと先導する猿田彦大神
裏面です。
おもて面では左を向いていた猿田彦大神が
裏面では右を向いています。
猿田彦大神の頭上にある文様は
「十二葉菊」です。
同じ菊の紋でも皇室が使用するのが
「十六葉八重表菊」。
花びらの数が違っています。
「みちびきレース守り」はその名のとおり
レース生地なので薄くて繊細。
そのため
何かに引っ掛けてしまったら
生地が傷む可能性があります。
なので
肌身守りというよりかは
常に清潔に保てるところに飾って眺めて
その綺麗さにほっこりするのがいいのかなと思います。
ちなみに
記紀によれば猿田彦大神は
「天狗のように鼻が高く、
唇は明るく輝き長い口髭を生やし、
眼は八咫鏡の如く爛々と照り輝き~」
と説明されています。
それをビジュアル化したのが
「みちびきレース守り」の猿田彦大神となるわけです。
尾張猿田彦神社拝殿にも
猿田彦大神の顔が飾られていました。↓
まさに天狗のようですね!
猿田彦大神は
天照大神の孫神である瓊瓊尊(ににぎのみこと)が、
高天原(天上界)より天下る「天孫降臨」の際に
幾多に道が分かれる天八衢(あめのやちまた)で出迎え、
日向国の高千穂に案内した導きの大神。
この神徳により、
導きの神として尊崇されています。
神話において
重要な役どころを担ったというわけですね!
尾張猿田彦神社のお守り紹介はこちら
尾張猿田彦神社とは以下のようなところです。
境内には猿田彦大神の神使「かえる」がたくさん
尾張猿田彦神社へ行くには
JRまたは名鉄の一宮駅から
名鉄電車の「玉ノ井」線に乗り換えて
「奥町」駅下車。↓
そこから西へ約10分歩けば到着します。↓
境内に入ると
かえるの石像がたくさんあります。
どっしりとかまえた力士のようなかえるがおります。↓
注連縄が横綱の綱のようです。
こちらはスマートですね。
口を開けてにっこり(?)↓
雑草に隠れたかえるもいます。↓
岩と同化したかえるです。↓
女体(?)なかえるです。↓
こっそりこちらを見ています。↓
どれも個性的です。
なぜ、こんなにかえるがいるのでしょうか。
猿田彦大神は瓊瓊杵尊を道案内したことから、
導きの神以外に、旅の安全を守る神としても
信仰されてきました。
かえるは「無事に”帰る”」につながることから、
猿田彦大神の神使となったともいわれています。
境内には池があり、鯉が泳いでいます。↓
エサの自動販売機がありました。↓
1個200円。
興味のある方は、ぜひ鯉にエサやりをしてください!
灯籠にデザインされたこの文様。
扇の中に
「五瓜に梅鉢(ごかにうめばち)」と「左三つ巴」。
このコラボ文様が尾張猿田彦神社の社紋となります。↓
「五瓜に梅鉢(ごかにうめばち)」は
伊勢に鎮座する猿田彦神社の社紋。
「左三つ巴」は八幡様を筆頭に
神社で多く用いられる社紋です。
鬼瓦にも社紋が。↓
誰も気づかないようなところにも
しっかりと社紋を入れ込むあたりに
抜かりのなさを感じます。
参拝は本殿の中で。そこにはおみくじやお守りが豊富に揃う
尾張猿田彦神社の本殿です。↓
誰でも中へ入ることができ、
神様に手を合わせる際は
本殿内で行うこととなります。↓
室内なので空調が効いています。
寒い時期、暑い季節はありがたいですね。
お賽銭箱の左側には
「みたま石」というお守りがあります。↓
「みたま石」とは
木曽川で清めた石を
神職が猿田彦大神のみたまに昇華させて
納めたお守りです。
初穂料500円(授与時)。
お賽銭箱の右側には
「だるまおみくじ」があります。↓
「だるまおみくじ」は全7種類。500円です。↓
入り口付近にはガチャがあります。↓
「猫おみくじ」や「犬おみくじ」が。
これは何かというと、
ペットの運勢を占うものだそう。
ガチャの隣には
「さるたひこおまもり」「星に願いをみくじ」のほか、
破魔矢や書籍もあります。↓
本殿内の左側には
「水みくじ」というものがありました。↓
これだけおみくじの種類があると
1つぐらい引きたくなりますね。
おみくじ好きにはたまらないでしょう!
豊富にあるのはおみくじだけではありません。
お守りもたくさん!
「金運御守」もほしい。「千勝(ちかつ)守」ってなんだろう。↓
「夫婦守り」、かわいいですね。
「みちびき守」の猿田彦大神、迫力あります。↓
「こども守」の猿田彦大神、ゆるキャラみたいです。↓
「開運厄除御守」のデザインがカッコイイ。↓
お守りを見ていると
本当にキリがないですね!
※神社の方に許可をいただいて撮影しております。
おみくじやお守りだけでなく、
本殿内には
様々なものが飾られています。
猿田彦大神が瓊瓊杵尊を道案内をしている絵。↓
色とりどりののぼり。↓
福禄寿の木彫り。↓
お賽銭箱の奥に祈祷を受ける
人用のいすがあり、
福禄寿の木彫りはその右側に置かれていました。
あまりにも頭部が大きく、
最初は何の木像か分からず、
神職の方に聞いたところ
福禄寿だと教えていただきました。
いつから尾張猿田彦神社に
置かれているのかは不明ではありますが、
かなり前からあるということです。
ただならぬ存在感。
おそらくみなさんに撫でられるであろう
頭部のツヤツヤ感。
猿田彦大神とともに
この地域の人々をお守りしているのかもしれませんね。
七福神の一神である福禄寿。
もともとは
南極星(南十字星)の化身とされ、
福(子孫繁栄)、禄(財産)、寿(健康長寿)の
三徳が揃ってこそ人は幸せという
古代中国の道教に由来する福の神です。
かつて「大巻山」と称されていた木曽川河川敷に奥宮が鎮座
尾張猿田彦神社には奥宮があります。
本殿から木曽川へ向かって歩き、
約5分のところに鎮座しています。
一直線なので分かりやすいです。↓
土手に突き当たるので
階段を上りましょう。↓
土手を上ると、河川敷になっており、
木曽川を望むことができます。↓
雄大な川ですね。
んん、奥宮はどこ?
右を向くと
野球ができそうな広場があり、
その奥に鳥居が見えます。
あそこが奥宮です。↓
近づくと
鳥居がけっこう大きい印象です。↓
扁額には
「尾張猿田彦神社 奥ノ宮 大巻山」
と書かれています。
「奥宮」ではなく「奥ノ宮」。
HPでは「奥宮」なのですが、
どちらが正式なのでしょうか。
鳥居をくぐると
お社が2社あります。↓
右が「千勝(ちかつ)神社」。
主祭神は猿田彦大神。
そういえば
「千勝守」ってありましたね。
猿田彦大神は千勝大神とも呼ばれ、
仕事、経営、合格の道などで障害が生じたとき、
それを祓って願いを叶えるご利益もあるそうです。
左が「宇受売(うずめ)神社」。
主祭神の天宇受売命(あめのうずめのみこと)は
猿田彦大神の妻神で、
芸能、知恵、安産、夫婦円満の神でもあります。
奥宮が鎮座する木曽川河川敷は
1586年(天正14年)6月の大洪水で
幅100mあまりの尾越川がさらに大幅に広がり、
木曽川の本流となった場所。
当時、
この地ではたびたび決壊が起こり、
長さ180mの猿尾(さろう/堤防の一種)を作って
川の流れを変えて守ったと伝わっています。
この猿尾は山のように盛り上がり、
突き出たような形をしていました。
そしてこの川下では
大きな渦を巻いて川が流れていたことから
人々はこの地を「大巻山」と呼んでいました。
その所以で
扁額に「大巻山」と書いてあったんですね!
2社を参拝して左へ歩いて行くと
「伊勢神宮遙拝所」と刻まれた石標がありました。↓
この場所から伊勢神宮が見えるということですか?
ここはかつて
神宮御遷宮の際に、
筏のご用材が伊勢湾に入る前に
綱を締め直す場所でした。
伊勢湾に出たあともご用材が無事届くようにと、
導きの大神である猿田彦大神が祀られたといいます。
この神縁によって
鳥居や標が設けられ、
伊勢神宮の遥拝所として
多くの人に参拝されているということです。
尾張猿田彦神社は
1985年(昭和60年)頃に建てられたという
比較的新しい神社。
一方、
奥宮の千勝神社と宇受売神社は
1608年(慶長14年)より鎮座していた
昔ながらのお社。
新旧一体化して歴史を紡いでいるのがおもしろいですね。
何事も良き方向へと進んでいけるように
導きの神のご利益をいただくことができました!
住所:愛知県一宮市奥町風田67-1
アクセス:名鉄玉ノ井線「奥町」駅より徒歩約10分
https://www.sarutahiko-jinjya.net/
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